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「めちゃくちゃ嬉しい。ありがとう、A」
彼の優しさが、心を抉る。
これはきっと、私の気持ちに応えようとして
言ってくれた御礼ではない。
そんなの、彼の表情を見れば一目瞭然だった。
本気で嬉しいとは思ってくれているのだろうけど、
困ったような、戸惑っているような。
そんな表情を浮かべられては
こちらとしても返す言葉など無いと唇を噛み締めた。
「でも、ごめん。今は付き合うとか、考えられない」
「……だよね、まぁ、そうだよね。ごめんね。
忘れてくれて、いいから。ほんとごめん、変なこと言って」
「あ、いや! そ、そうじゃなくて!」
やっぱり、自惚れだったかと思い上がっていた自分を
頭の中で殴り殺していれば鳳くんが慌てて否定の色を見せた。
もういいよ、これ以上私の心を殺させないでくれ。
無駄な優しさは人を傷つけるんだぞ、鳳よ。
どこかの偉人に成りすました言葉を心の中で呟きながら
遠い目をしていると、鳳くんが深呼吸をして。
泳いでいた視線が、真っ直ぐ私を捉えた。
「俺も、その。好き、なんだ」
Aのこと、ずっと、好きだったよ。
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優(プロフ) - 財堂若也さん» 応援コメントありがとうございます! 一応ラストスパートかけているつもりですが文章力と発想力が乏しくオチを見失いかけておりますw あと2シーズンくらいは要するかもしれません…すみません…気長に見ていただけると幸いです… (2020年12月31日 20時) (レス) id: 8b3ebb8f88 (このIDを非表示/違反報告)
財堂若也 - ラストスパートかかってきた感じですか?更新頑張ってください! (2020年12月31日 19時) (レス) id: 7fa4fbfbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:2ytluvuusham081 | 作成日時:2020年12月29日 12時