猛毒*84* ページ43
『ぁっ、ん…ふ……ん、っは』
「ん…っ」
チュ、チュと短くなるリップ音。そして唾液の交じった少々卑猥な音。
あとは、私とローの吐息。
それらが二人きりの船長室の静寂に溶けて消えていく。
久しぶりの感覚に、私の脳はとっくに溶かされ役目を放棄していた。
もう刷り込まれてしまっているのだ。これは"気持ちイイこと"だと。
そしてその感覚は体の神経を麻痺させ腰を震わせる。
「はっ……気持ちいいか？」
『…ぁ…ん、』
息も絶え絶えで頷くことしか出来ない私を、ローは嬉しそうに見下ろした。
思えばいつもそうだ。
私が溶かされる度、彼は心底嬉しそうな顔をする。
時には恍惚という言葉が似合う時もある。
そんな表情を私がさせている、私しか知らないものだと思うと、体の芯がゾクゾクした。
『…ね、え』
「何だ」
『ごほうび、は…何がいい……？』
私のまだ知らないローの顔が見たい。ローともっと深く愛し合いたい。
キスだけじゃない、触れられるだけじゃない。もっと、もっと。
そう感じた瞬間に私の中で覚悟は決まってた。
元より全てを捧げた人だ。色んなものが吹っ切れた今、躊躇うことなんて無い。
そう思って、作戦前にした「ご褒美」の話を持ち出してみた。
ローならきっとこの先を望むだろうと思ったから。
けれど、存外に彼は嫉妬深かったようで。
「……なら、黒足屋とは極力連絡を控えろ」
『………え？』
「それが、俺が今お前に最も望んでいることだ」
褒美はそれでいい、と言い放ったロー。
私は呆気に取られてしまい、思わず自分から聞いてしまった。
『このまま最後まで、しなくていいの…？』
「……お前の初めては褒美なんかじゃなく、お前が望んだ時に貰う」
『！』
「それに全快してない病人相手にそんなことさせられねェだろ」
私はこの時、死にそうになるほどローがかっこよく、愛おしく感じた。
一生この人に着いていくと心の中で誓った。
この船に乗った時も同じ事を誓ったが、それは「部下」「クルー」としてだ。
だが今日この瞬間は、「女」としてローとの生涯を誓った。
勿論それは、彼にはまだ秘密で。
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凛月のさぶ。(プロフ) - Nakoさん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます！良かったです！ぜひ楽しんでください😊 (7月1日 14時) (
レス) id: e8fb34f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - すみません。見られました！ (7月1日 14時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - 中編集がみらません。年齢制限の変更はどうやりますか？楽しくて何回も読んでいます😊 (7月1日 13時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - aimerさん» レスを付け忘れていました…。また不明点などありましたらお気軽にお声がけ下さい！ (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - コメントありがとうございます！中編集の方はアプリでは閲覧できませんので、ウェブから占ツクのサイトへアクセスして頂いて、それでも見つからない場合は設定から年齢制限の変更が必要になります。探して頂いてありがとうございます…中編集でお待ちしております。😊 (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛月
| 作成日時：2023年2月15日 1時
