猛毒*55* ページ13
「…今回はこれくらいにしといてやる」
『…ハイ、ホントにすみませんでした…』
分かればいい、とキャプテンは傍に椅子を引っ張ってきてドスッと腰掛けた。
時間的には数十分だったが、耳が痛すぎて体感は数時間。涙も枯れてしまった。
「……それで、あの島で何があった。大体の事はシャチとペンギンから聞いているが…お前の話を聞かせろ」
少し息を着くと、こちらが本題と言う様に真剣な顔をしたキャプテンが話を聞いてきたので、海賊との遭遇までを事細かに説明した。
大部分は二人が話していた内容と重なるので、キャプテンは静かに私の話を聞いていた。
『…見聞色で感じた限りでは、その海賊五人が主犯格だと思われます。もしかしたら、他に仲間が潜んでいるかもしれませんが…居てもさほど問題は無いかと』
「あァ、分かった」
『でも…多分、内一人は能力者ですよ』
「……何故そう思う」
私は島の様子を思い浮かべながら考えを話す。
『毒霧は、島の中心部だけを避けて一定方向に漂っていました。
今日は曇天で風も強いですが、霧の向きは逆方向でしたし、そもそも霧散しないのは異常です。
何らかの能力が作用していると考えるべきだと思います』
「霧は船からでも目視できた。確かにアレは異常だ。
お前の言う通り、"そういうこと"ができるヤツがいるはずだ」
キャプテンの言葉に頷き、私は胸の中心辺りから
シャチとペンギンに着けたものと同じガスマスクを取り出した。
『ストックは後これ一つしかありません。
ご存知の通り、私の故郷から持ってきたものなので性能は保証します』
使ってください、とキャプテンに手渡す。
私の故郷は周辺諸国より文明が発達していて高い技術力を誇っていた。
このガスマスクは国に居た時に戦闘用として支給されたもの。
私が普段使っている多くの武器も、故郷から持ってきた文明兵器たちだ。
ちょっとやそっとでは壊す事さえ叶わないだろう。
「なら、これは俺が使わせてもらう」
『キャプテン……キャプテンが、行くんですか？』
マスクを受け取ったキャプテンに私がそう聞くと、無言で手を取られる。
「…俺の女に血を流させたんだ。直接手を下さない訳が無いだろう」
『！』
「お前は俺の大事な女だ。傷付けられたら復讐する、当たり前の話だ」
『キャプテン…』
優しく頭を引き寄せられ胸に抱かれる。
そっか、私…キャプテンに大事にされてるんだ。
そう思うと、不相応にも笑みがこぼれてやまなかった。
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凛月のさぶ。(プロフ) - Nakoさん» 返信遅れてすみません！コメントありがとうございます！良かったです！ぜひ楽しんでください😊 (7月1日 14時) (
レス) id: e8fb34f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - すみません。見られました！ (7月1日 14時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
Nako(プロフ) - 中編集がみらません。年齢制限の変更はどうやりますか？楽しくて何回も読んでいます😊 (7月1日 13時) (レス) id: ce50961c41 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - aimerさん» レスを付け忘れていました…。また不明点などありましたらお気軽にお声がけ下さい！ (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - コメントありがとうございます！中編集の方はアプリでは閲覧できませんので、ウェブから占ツクのサイトへアクセスして頂いて、それでも見つからない場合は設定から年齢制限の変更が必要になります。探して頂いてありがとうございます…中編集でお待ちしております。😊 (5月27日 23時) (レス) id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛月
| 作成日時：2023年2月15日 1時
