ぬらりくらりと

20話 ページ22

鯉伴side

『父さん、母さんの近くにいなくていいの？』

それが当たり前という風に俺を見上げるリキト 。
お前さんの優先順位はまずは母親か…

「くくくっ！お前は本当に子供らしくねぇな」
『え…？』

何のこと？と、でも言わんばかりの顔でこちらを見つめるリキト。だが、俺や若菜には嬉しい事だが反面お前が我慢してるんじゃねぇかって心配しているんだぜ？と言う思いを込めて頭を撫でる。

『ちょ！ちょ！』
「なんだぃ？」
『なんだぃ？じゃない！頼むから離してー！』
「くくくっ！変な髪型になっちまったな」

と笑うと父さんのせいだろ！と、言ってそっぽを向いた。だが、少しだけ耳が赤くなってる事に気づく。照れてるのか？

「照れてるのかぃ？」
『そ、そんなんじゃない。ただ恥ずかしいだけ！』
「！ははっ。そうかぃそうかぃ。」
『本当だよ！』

少し頬が赤くなったリキトがこちらを向く。照れ顔でこちらを見るリキトは可愛いと思ってしまった。同時に、綺麗だとも。

『父さん？』
「何でもねぇよ」

自分の息子に見惚れていたなんて言えず曖昧に濁す。誤魔化すようにまたリキトの頭を撫でた。

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