姫と呼ばれた乙女（？）な彼とふとイケメン系な少女【Q.K】

神と呼ばれた人の痛感~その1~（改） ページ32

夏のある暑い日にて

最寄り駅から僕は歩きでオフィスに向かっていた
わざわざこんな猛暑の中徒歩･･･と思わなくもなかった

勿論オフィス近くのバスもあるが僕は普段ほとんど利用しない
が、後になれば利用すべきだったと痛感することになろうとは



昨日も一昨日も通ったオフィスまでの通い慣れた道

いつもと同じ経路、違うのは体調だけ

最近の寝不足か、はたまた昨日福良と結構な量の酒を飲んだからか、それゆえの二日酔いか、それともただ暑いためか

何が原因か特定出来ないが道のりがいつもより長く、さらにしんどく感じた


やっとついたオフィスには誰もいなかった

そういえばそうだ

いつもの面子は昨日
伊沢、福良は仕事、須貝さんは学会、川上は昨日(今日でいう一昨日)が忙しかったため休み、山本は部活の合宿、こうちゃんは里帰りと連絡をもらっていた

外の暑さとはまた違うむっとした暑さの部屋で荷物を自分の作業机に下ろし、冷蔵庫にあるお茶で水分補給

熱中症も脱水症状も怖いからね、とひとり心地る

途中ふらっと来たのは寝不足だからだろう

「さて、仕事するか」

声に出し自分自身にやる気を入れ、パソコンを開く

ちなみに冷房はいれていない

理由は1人だとなんとなく勿体ない
し、まだイケるだろう




仕事を始めてどれぐらい経ったのかわからないが、かなりしんどい

もともと、しんどいながらも気づかないフリや無視をしてきたが、それすら出来なくなってきた

頭が痛く、クラクラして、気持ちも悪く目の前のパソコンすら見れない

そしてだるい


こんな症状のおかげで仕事は出来ず机に突っ伏すしかなかった


ピーンポーンピーンポーン

インターフォンの音がした

「Aです」

A･･･あぁ、Aさん

こうちゃんより年下で勿論QuizKnockの中でも年少者に入る

流石に年上のこんな姿は見せられない
いつものように振る舞わなくては

何とか無理矢理起き上がり如何にも仕事してました感をだす

「Aさん、いらっしゃい」

「河村さん、こんにちは。お疲れ様です」

アレ？いつもってどうやって振る舞ってたっけ??
彼女の僕に向けられた言葉があまり入って来ない

「今日かなり猛暑日みたいですね。ここの部屋といいますか、オフィス自体凄い熱気ですけど」
「冷房つけようか」

立ち上がりクーラーのスイッチをリモコンで入れようとした

そう、したのだ
実際は目の前が周りが揺れてぐちゃぐちゃになり身体が重い
気持ち悪い

「え?!河村さん!?」

彼女が僕を呼ぶ声とﾋﾟｯと甲高い音が聞こえた


僕がしっかりと覚えているのはここまで

神と呼ばれた人の痛感~その2~→←リアクション王の実感~後日談3~

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す