日常と恋心 (ページ25)

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#118 ページ25

翔「危ねぇだろ」

『ごめん、怒った？』

翔「…怒ってない。潤に怪我して欲しくないだけ」

口調とは裏腹に、背に回る手は酷く優しい

翔くんの温かさが、静かに身体に流れ込むような

たどたどしいのが面白いけど

翔「身体キツイから、俺の足の上乗って」

『え、うん…』

言われた通りに翔くんのあぐらの上に跨る

足の隙間にハマってちょうどいい

　

翔「何やってんの」

『ん？ちょうどいいなって』

翔くんの上に乗っているせいで、頭のつむじが見える

翔「なんか懐かしいな」

『え？』

翔「シャワー室で前にも似たような事あったじゃん」

あぁ…

俺が開けた扉が翔くんに当たって、2人でバランス崩したやつか

『あの時ほんとドキドキしたからね』

　
翔「俺だって…」

詰まった言葉に不思議に思い、翔くんの顔を見る

あれ？そういえばあの時…

『翔くんさ、何か言おうとしてなかった？』

翔「あぁ…うん…」

『何て言おうとしてたの？』

翔「…好きだよって。言いかけた」

目が合う

焦げ茶色の丸い瞳がオレンジのライトに照らされて綺麗だ

『じゃあ…今、言って…？』

首筋にゴツゴツした温かい手が触れる

俺の大好きな手

翔「好きだよ。潤」

『俺も。大好きだよ』

力強く

優しく

伝わるように

そう祈った