#114 ページ21
S-side
『お疲れ様。ありがとね』
マネ「お疲れ様でした！」
今どこらへん?
家着きました
管理人さんに軽く会釈をしながらフロントへ入る
エレベーターのボタンを押すと、5階から下がって来た
タイミング合わなかったか
チーン…
つまみ買ったけど、何か食べたい物ありましたか?
ガサガサとなる左手のビニール袋
中には潤が気に入っていたドライフルーツと魚の煮付け
これを無意識に手に取っていたから恐ろしい
チーン…
返信無いな…
まだ移動中かな
『ふぅ…』
少しため息をつくと、息が白く漂った
街の小さな明かりが下でちらつく
彼を感じれないことが、こんなにも…
早く来いよ。潤。
ポケットから鍵を取り出し、自分の部屋へ歩き出す
角部屋は便利だけど、帰るまでが寒い
突き当たりを曲がると、俺の部屋の隣でうずくまる人影が見えた
『えっ…？』
恐る恐る近づくと…
『えっ……潤？』
潤「あ、翔くん。おかえりなさいっ。お疲れ様」
人感ライトのオレンジの灯りが
彼の白い息と反射して
少し鼻が赤い彼が微笑むのが
やけに美しく、輝いて見えた
『っ…！じゅんっ…！！』
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作者名：ひるね | 作成日時：2023年6月8日 19時
