バイバイ、隆 ページ50
カメラと繋げてあるパソコンを見ると、見知らぬ男が数人。その手には銃。
パソコンの履歴を全部完全削除して、パソコンとスマホ、咄嗟に手に取った隆から貰ったピアスを手にベランダから外へ逃げた。これでみんながどこに逃げたのかわからない。
三[京、どうした?警告音みてぇなの鳴ったけど。]
「口を挟まずに聞け、ハニー。
この電話切ったらすぐにそのスマホをぶち壊せ。
旗持ちたちが来たら、全員で第2の隠れ家に移動しろ。荷物は何も持つな。」
三[・・・は?ちょ、]
「じゃあ、またいつか。長生きしろよ。」
ブツリと通話を切り、履歴を全部削除した。ピアスと一緒にポケットに仕舞う。ファスナー付きだから落ちることはないだろう。
そのままある場所へ走り出す。
橋にたどり着いた。その下にはもちろん、深い、深い川が流れている。川の勢いは激しいなんてものじゃない。
走ったままの勢いで欄干に足をかけ、飛ぶようにして川に身を踊らせた。こういうこと、昔武道がよくしてたな。ヒーローは空を飛ぶんだ、って。
落ちている途中にパソコンもスマホを投げ落とす。それらはバシャンと川に飲み込まれた。これで完全に壊れただろう。というか、あの2つはもう行方不明だ。
私自身も、落ちていく。
隆とお揃いのピアスにキスする。
「バイバイ、隆。」
冷たくも温かい水に身を包ませた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「お前ら、パーちんとペーヤンがこっち来たら、すぐに移動だ。荷物は置いていけ。」
電話が切れた直後、スマホを水に沈めてぶっ壊し、飯を食っているドラケンと場地に知らせる。
圭「急にどうした?」
「京から連絡。」
龍「京は?」
「またいつか、だとよ。」
龍「・・・そうか。」
二人は食べるのを辞め、動きやすい服に着替えに行った。
貴〈じゃあ、またいつか。〉
その意味がわからないほど、もうガキではない。むしろ散々知り尽くしている。
どうしてだろう。悲しいはずなのに、涙が出てこない。
そうか。俺は信じられないんだ。京が
死んでしまったことが―――
ガシャン‼
食卓の皿を払い落とす。
「っはぁ、はぁっ、」
・・・京の言った通りだ。ほんの少しの間のお別れ。またいつか会えるはずだ。
会えなかったとしても、きっとアイツは幸せな場所にいる。俺らが逝く場所とは違うから。
それなら、十分だ
「バイバイ、京。」
俺はピアスを外し、それに口づけを落とした。
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シオン(プロフ) - 12年後もタカちゃん辛いよ〜〜 (2022年8月1日 19時) (レス) @page50 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - いヤァ〜夢主止めろ〜真一郎も早く目覚めて!!! (2022年7月31日 21時) (レス) @page45 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 作者さん» トラがついてるので、もうトラちゃん呼びになってます。 (2022年7月30日 17時) (レス) id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - シオンさんって一虎くんのことをトラちゃんって呼んでるんですね。可愛いです。いつもコメントありがとうございます。元気百倍アンパンマンですよ〜〜。 (2022年7月30日 16時) (レス) @page35 id: db786199f7 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - あの場面〜〜場地さんのあの台詞…トラちゃんの事を教える場面…今日の東リベ絶対泣く (2022年7月30日 16時) (レス) @page35 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2022年7月21日 14時