血濡れの京人形は武道の姉！！ 弐！

侵入 ページ49

「うっし！これであの二人のは完了っと。」

あれから１２年。私たちの願いは届かず、東卍はいつの間にか堕ちていってしまってた。武道も・・・。

それでも最初はアイツらとは交流もあった。でもしばらくすると、距離ができて今は田舎で細々と暮らしてる、フリをしている。
東京にいるカズと連絡を取り合いながら、アイツらを救けることにした。

まずは、稀咲にとって一番の邪魔者であろうケン坊と圭介を外国へ逃した。みんなを置いていけないなんて喚いてたけど、お前らが死んだら他に誰がみんなを救えるかと一喝しておいた。
次は、どんな状況でも人間であろうとする隆。意外とアッサリ外国へ逃げてくれた。ただ、別れ際に黒地に白い十字架が入ったピアスを渡された。隆の左耳で光るものと同じもの。死ぬなよ、なんて言って。
本当はそのときに千冬も逃したかったんだけど、「相棒を置いていけない」って断られた。「みんな」じゃなくて「相棒」を置いて行きたくないって。「死ぬよ？」と確認したけど、それでも千冬は残ると言った。
そして、ついさっきパーちんとペーヤンが飛行機で外国へ逃げていったのを見届けた。

残る問題は・・・、東卍の全部じゃん、さすがに東卍は救えない。

スマホを起こして、「ハニー」に電話をかける。

「ハァーイ、マイハニー。元気してる？」

これはいわゆる合言葉みたいなものだ。

三［あぁ。おかげさまでな。］
「そう。なら良かった。みんなに伝えといて。旗持ちとその付き人をそっちに送ったから。」

元旗持ちのパーちんとパーちんにベッタリなペーヤンを逃した、と暗に伝える。
誰かに聞かれてるか、わかったモンじゃないから。

三［・・・なぁ。お前はこっちに来ねぇの？］
「来ないよ。」
三［千冬のためか？］
「それもあるけど、武道のこともあるし、万次郎のこともさ。」
三［千冬ならまだわかるけど、タケミっちもマイキーももう昔の二人じゃねぇんだぞ？
何でアイツらのために残んだよ・・・。］

そうだ。武道も万次郎も、もうあの頃の二人じゃない。
犯罪者集団の幹部と総長だ。

でもさ・・・

「人の性格なんてさ、色々変わるモンでしょ？
でもさ、あの二人が弟だっていうことは永遠に変わんないから。」

三［・・・相変わらずのブラコンだな。］
「ブラコンじゃないって。」

でも、たまには旅行と称してみんなに会いにいくのも良いかもしれない、なんて考えてると、

ﾋﾞ−−−−−−‼

侵入者が来たことを告げる機械音が鳴った。

バイバイ、隆→←所詮、姉には隠し事は通じない

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