血濡れの京人形は武道の姉！！ 弐！

死の知らせ ページ5

セミの鳴き声が鳴り響く。ポチャポチャと蛇口から滴り落ちる雫の音を無視する。

『次のニュースです。かねて激化している「東京卍會」の抗争が、遂に無関係の一般市民を巻き込む事態まで発展しました。』

「マジか。こえー。」

『現場で死亡が確認されたのは「橘直人さん」２５歳と、』

「・・・橘？」

『「橘日向さん」２６歳、「花垣京さん」２７歳。』

思わず手にしたポテチを取り落とした。

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中学時代に付き合ってた彼女、橘日向と、
唯一の家族だった姉ちゃんが死んだらしい。

それでも、不思議と涙も喪失感も溢れてはこなかった。

相変わらず日常が過ぎていくだけだ。その日常は最悪だが。
壁の薄いボロアパートに住んで、六歳も下の店長からは馬鹿扱い。極めつけは童貞。彼女がいたのは中学時代に一人だけ。

バイト終わりに駅のプラットホームで自嘲する。

「俺、どこで間違えたんだろ・・・？」

ﾄﾞﾝｯ

背中に衝撃が走った。

「え？」

そのまま線路に落ちる。目の前には電車が迫っていた。

ﾌﾟｧーーーﾝ!!

死ぬと思った瞬間、思い出したのは友達でも姉でもなく、

橘日向のことだった

何が何だかわからない→←後戻りはできない

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