血濡れの京人形は武道の姉！！ 弐！

武蔵祭り ページ23

最近、場地や千冬が京と仲が良い。

気になって、二人に聞いてみた。

「お前ら、京と最近よく一緒にいるけど、なんかあった？」
場「三ツ谷ぁ。嫉妬は良くないぜ？」
千「え？！！三ツ谷くんって京さんのことが好きなんスカ？！」

秒で後悔した。すぐにバラしたりすんなよ、場地。
ていうか、嫉妬じゃねぇし。ちょっと気になっただけだし。

どうやら留年した場地の勉強を教えてやっているそうだ。大丈夫か、京。場地の頭の悪さは壊滅的だぞ。燃え尽きたりしないか心配だ。
でも、少なくとも俺に携帯の使い方を教えたとき程ではなかったと言われた。

千「三ツ谷くん！せっかくですし、デートくらい誘いましょうよ！武蔵祭りとかどうですか？マイキー君たちがもう愛美愛主潰したみたいですし！」

あいつの場合は屋台目当てだな。少なくとも、二人で空を見上げて手を繋ぎながら花火を見るなんてことは起きないだろう。
でも、片思いし続けて２年。さすがに行動を起こした方が良いかもしれない。

「ありがとな、千冬。誘ってみるわ。」
千「また結果教えてください！！」

祭りといえば、最近部活の課題で仕立てた浴衣を思い出す。提出し終えたそれは、もう自分の好きなようにして構わないはずだ。

白地の布に朱色の秋草が散りばめられ、帯の色もまた朱色。
京を思って作った浴衣だ。
課題を出された時、真っ先にあいつに似合うものを作りたいと考えた。
もし、まだあいつが髪を染めててくれてたら・・・
そう思って、作ったものだ。そして、再会して本当に驚いた。淡い期待を抱いてたとはいえ、まさかまだ染めててくれてたとは思わなかった。

武蔵祭りにも誘えたし、ちょっと強引だったが俺が作った浴衣を着てもらう約束もした。

そして、武蔵祭り当日。

貴「お待たせ〜〜〜。」
「お、おう。」

メチャクチャ可愛かった。
浴衣は想像以上に似合ってたし、いつもは適当に纏められている髪も、今日は三編みにされて左肩に流されている。京の下駄がカランコロンと鳴り響いて、そこだけが別の世界だと思わすような妖しさもあった。

貴「反応うっす。もうちょい何か言えや。」
「似合ってる。」
貴「気絶するくらい綺麗だって言えよ。」
「んなこと言えるか！！」

喋れば残念だが。

その後は、一緒に屋台を回った。

綿菓子を食べて、射的をして、はしゃいで、喋って、キレ散らかして、

やっぱり好きなんだって。

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