死の瀬戸際で気づいた気持ち ページ3
?「京ーーーーーーっっ!!」
聞き覚えのある声がした。声がした方を振り返る。
髪は昔よりも幾分か伸び、黒く染め直されている。着ているものも随分と高級そうなもの。
でも、あの特徴的なタレ目も身長が平均より低いのもあの時のまま。
そして何より、左耳で光る白い十字が入った黒い大きなピアス
「そ、」
それまだ付けててくれてたんだ、と言うことはできなかった。
ズドンッッ!!
「・・・ぇ?」
あれ?何、これ・・・?
身体に衝撃が走ったと思ったら、もう身体が動かなくなっていた。
着ていた金魚が描かれている白い浴衣は赤く染まり、何故か髪の毛も赤黒く染まっている。後れ毛だけしか染めてないのに。
罰が当たったんだ、と思った。
ケン坊も圭介もカズもエマも死んで、万次郎が万次郎じゃなくなっているのを知って、また万次郎に責められるのが怖くて、武道にも拒絶されて、たった一回で武道を諦めてしまって、いつの間にか何処かへ行ってしまった。
次々と頭の中に映し出されるのはやっぱり武道と・・・私の全てを預けた東京卍會での思い出。
みんな、笑っている。
最期に現れたのは、
出会ったばかりの隆の姿。
まさか今になってこの気持ちに気づくなんて思いもしなかった。
(私、初めて会った時から、隆のことが好きだったんだ・・・。)
「たか、し・・・ご、め・・・ん・・・。」
どうして謝ったのかはわからない。でも、何故か謝らないといけないと思った。
涙が一筋こぼれたのがわかった。
「ねむ、い・・・。」
ーーーーーーーーーー
京が死んだ。
東京卍會の抗争に巻き込まれたということになっているが、本当は違う。全部、稀咲の策略だった。でも、京が死んだと聞いても何も感じなかった。
三ツ谷が幹事会で殴ってきた。涙を流し、叫びながら。
もちろん三ツ谷は反逆罪としてスクラップされた。一つ例外として、俺が殺すことにした。
「言い残すことは?」
三「・・・これを、京の墓んとこに置いてくれねぇか?」
俺を殴ったこぶしを差し出してきた。そういえばさっきからずっと握りしめていた。手のひらを差し出すと、何かを転がされる。
三ツ谷の左耳に光るピアスと同じもの
できれば跪いて置いてほしい、とも言われた。
俺は無言で頷くと、そのまま三ツ谷の額を撃ち抜く。
「柴、処理しとけ。」
八「・・・ウス。」
すすり泣きながら「タカちゃん」と呟く声には気づかないフリをした。
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シオン(プロフ) - 12年後もタカちゃん辛いよ〜〜 (2022年8月1日 19時) (レス) @page50 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - いヤァ〜夢主止めろ〜真一郎も早く目覚めて!!! (2022年7月31日 21時) (レス) @page45 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 作者さん» トラがついてるので、もうトラちゃん呼びになってます。 (2022年7月30日 17時) (レス) id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - シオンさんって一虎くんのことをトラちゃんって呼んでるんですね。可愛いです。いつもコメントありがとうございます。元気百倍アンパンマンですよ〜〜。 (2022年7月30日 16時) (レス) @page35 id: db786199f7 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - あの場面〜〜場地さんのあの台詞…トラちゃんの事を教える場面…今日の東リベ絶対泣く (2022年7月30日 16時) (レス) @page35 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2022年7月21日 14時