血濡れの京人形は武道の姉！！ 弐！

ピアス ページ1

結局、「良いんじゃね？」と京の意思を尊重してやることくらいしかできなかった。この時、引き止めておけば何か違ったのかもしれない。

「ほれ。染め終わったぞ。」
貴「キレー・・・。」

後れ毛を朱色、今で言うオレンジ色に近い色に染めた。

俺が好きな色

(俺って、結構独占欲スゲェな・・・。)

自分でも苦笑してしまうくらいだ。

「(ﾎﾞｿｯ 誕生日、おめでとう。」

キラキラした顔で鏡を見ている京。
あの笑顔を守れるのだったら、何でもする。
でも、それ以上に、あの笑顔を俺だけに向けられたらどれだけいいか・・・

京は今回の傷害事件が引き金で引っ越すことが決まったそうだ。学校は変わらないから会おうと思えば会えるのだが、気持ちの整理がついてからじゃないと駄目だろうな。

寂しくなるな・・・

貴「ん。」
「え？」

京に何か差し出される。手のひらを広げると、その上に何か転がされた。

それは黒地に白い十字が入ったリングピアスが一組だった。

貴「今回の礼。それカップルで一つらしいから付き合う子ができでもしたら渡してやれよ。」

あぁ。あの時なんかコソコソ買ってたやつか。

「随分とゴツいな。」
貴「文句あんなら返せ。」
「はいはい、ありがとな。」
貴「・・・どういたしまして。」

このピアスは生涯大切にすると決めた。

貴「また会ったときに私に跪いて渡してくれてもいーぞ？」
「おう。そうしよっかな。」
貴「はぁ？！？！」

まともに会話したのはこれが最後だった。

京は俺らに簡単な挨拶をすませ、去っていった。
誰もが心にポッカリ穴が空いたような気持ちだった。一虎に続いて京まで失ってしまったのだ。
マイキーは虚ろな目だった。

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今日は７月１日

俺は久しぶりに休暇がとれて、街の祭りに紛れ込んでいた。

あれから１４年。結局、京と再会することはなかった。
でも、それで良かったと思う。

相棒だったドラケンは8・3抗争で殺された

場地は血のハロウィンで一虎に殺された

場地を殺した一虎もマイキーに殺された

弟のような存在だった八戒は実の兄を殺し黒龍に染まった

エマちゃんも抗争に巻き込まれて殺された

マイキーは堕ちていってしまった

俺はというともう立派な犯罪集団の一員

「東卍は・・・俺らはどこに向かってんだろうな、京・・・。」

アイツが生きているということが唯一の心の支えだった。

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