死のうとしたら零さんが現れた【 あんスタ 】

現れない＊１０ ページ11

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ふと、目を開けた。





「起きたかイ？」


「ん…夏目？なんで、ここに」





いつもの見慣れたリビング。



どうやらソファーに寝かされていたらしい。






「夏目、学校は…？」


「何言ってるんだイ？今は夜ダ」


「あれ、うそ…」


「ご飯作ったから食べよウ」






まだぼんやりした頭で立ち上がり、イスに座る。






「…ねぇ、夏目」




コップにお茶を注ぎながら、夏目は私の顔を見た。






「私、なんかすごく長い夢見てた気がするんだけど」





気のせい、かな。



そう聞けば、くすりと微笑う。





「気のせいに決まってるヨ。色んなことがあって気が動転してるんじゃないノ？」


「…気持ちも、すごく楽になった気がする」


「…それは理由が必要なのかイ？A」





えらく真面目な顔。



私は首を横に振った。





「じゃあいいだろウ」


「ん、そうだね。いただきます」






ご飯を口に運びつつ、考えた。





ぼんやりとしたシルエット。


彼に私が２年の冬に起きたことを言って、それから。





………それから、何したんだっけ？





慰めてもらったところまでしか思い出せない。







「…………A」


「…え、なに？」


「『僕はAのこと見捨てたりはしない』」





そう言って、またご飯を食べだす夏目。



少し赤い耳には気付いてないフリをした。





「……ありがと。夏目」





まぁ、夢のことなんていっか。






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