8話 ページ8
『トリガー
トリガーを起動し、トリオン体に身を包む。何度か屈伸をしたり、ジャンプする。
「どう?変なところない?」
『バッチリです!さすが雷蔵さん!』
グッと親指を立てる。
『ただ…このしっぽみたいなのは、何ですか?』
私のお尻からユラユラと伸びる猫のしっぽ。
「似合ってるよ」
『嬉しくないですよ!?』
何でこんなのつけたんですか。この年になってしっぽつけて外を出歩くのはさすがに痛い。早くどうにかして下さいと詰め寄る。
「いやまだ作らなくちゃいけないのがあるから、今日はそれで過ごして」
無理!!!
『無理です』
雷蔵さんが勝手に付け足したからどうすればしっぽが取れるのか分からない。
がしかし雷蔵さんはすでにデスクに向かってしまった。
酷い!!
「おいA仕事だ」
KYな鬼怒田さんが仕事を押し付けてきた。
いやまあ仕事だからさ、やらなくちゃいけないのは分かってるけどでもさ、ほら?タイミングがあるじゃん?
『明日じゃ駄目ですか』
「駄目だ。至急との事だ」
あああもう!仕方がないので腹をくくる。もうどうにでもなれだ。
『…何ですか?』
「次のランク戦に出る隊のトリガーの調子が悪いようだからメンテナンスに行ってこい」
『次の隊って、隠岐くんの隊?』
確か隠岐くんが次のランク戦のための資料がどうこう言ってたっけ。
「そうだ。あとついでに端末が壊れてるようだから新しいのと交換してこい」
『了解しましたー』
端末を片手にラボを出る。必死にしっぽを隠すがユラユラと揺れ中々大人しくならない。
『雷蔵さんめ…』
今度美味しい物を食べに連れて行ってもらおう。
『あ、そうだ…!』
しっぽをぐるりと足に巻きつける。
おお。これは中々いいんじゃないかな?遠目じゃよく分かんないし。いい感じにしっぽを隠せたところでB級の作戦室のある階に着いた。
『どこが生駒隊だろ…?』
B級はなにげに数が多いので探すだけで一苦労だ。
『生駒隊、生駒隊』
お、あった。電気がついてるから誰か居るな。コンコン、とノックをする。
「どうぞー」
少しなまった声が帰ってきた。そういえば生駒隊って関西出身の人が多かったよね。
『失礼します、トリガーのメンテナンスに来ました』
途端に注目を浴びる。あれ、隠岐くん……居ないや。
「あ!しっぽ!しっぽはえてる!」
『ギャッ!?』
ぐいっとしっぽをつかまれた。痛い。痛覚が在ることに驚く。雷蔵さん変なところ凝らなくていいです…!
てかなんで分かったの。完璧に隠せたと思ったのに…
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なや - 隠岐君!男前で、かっこいいです。 (2022年3月31日 12時) (レス) @page8 id: 8cf2aca477 (このIDを非表示/違反報告)
なや - 隠岐君!男前で、かっこいいです。 (2022年3月31日 12時) (レス) @page8 id: 8cf2aca477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結心 | 作成日時:2019年7月6日 6時