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隆弘side
凹んでたってしょうがない
ずっしり感じる誰からからも分からない物…
重い身体を引きずる様にスクールを後にする
入口を出た所で聞きなれた声に呼び止められた
「隆クンお疲れ様。」
「えツ?美優?何にしてんの?」
連絡来てなかったのに…
「あの、えっと…、Happy Valentine」
手にしていた紙袋を渡された。
「美優。。。俺、俺貰えないと思ってた…」
やべぇ泣きそう。。
「サプライズしてみた(笑)」
ぺろっと舌を出して可愛く微笑む美優。
「ずるいよ。。。俺、マジで凹んでたの。
何の連絡もないから…。
ほんと。マジでめっちゃ嬉しい♪」
貰えないって諦めてたのに
「ねぇ、見ていい?」
「うん。」
紙袋から箱を取り出して中身を覗きこんだ。
「チョコレートケーキ?ハートだ〜♪」
手作り♪
「美優。ありがとう。すげー嬉しい♪
大事に食べるね♪」
「…うん。」
柔らかく微笑んでるけど…
「美優?どうしたの?」
「どうもしないよ。」
小さな嘘
さっきから何度も指輪に触れる。
最近よく目にする仕草…
「俺、美優のしか食べれないから…。美優が食べて。」
紙袋差し出した。
途端に曇る顔。
「そんな事しちゃ駄目。皆、隆クンの事考えて渡したんだよ。」
気にする癖に他人の事考えて…
「誤解すんなよ。
受け取ったんじゃ無いからね!
机とかロッカーとかに入ってたから誰からかも解んないし。」
「それでも想いが詰まってるんだよ。チャンと隆クンが見ないと。」
「解った…。でも、義理とか要らないから…。」
悲しそうに唇噛み締めた。
「そんな顔しないで。渡されてたら断ってた。
けど、知らない内に置いてあって捨てれないから持って来ただけなの。
たくさん貰ったって大切な人以外何の意味もないよ。
受け取ったのは美優のだけだからね!」
「隆クン。ありがとう。そう言って貰えるだけで嬉しいよ。」
また我慢するんだから…。
「なぁ。今日美優の家行っていい?」
「あ。うん。急に来たのにごめんね。」
コイツ勘違いしてるな、泊まりに行くって事なんだけど…
全部のチョコ美優の前で開けないと俺の気が済まないから…。
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作者名:ayu | 作成日時:2017年10月27日 7時