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隆弘side
それからの日々はレッスン漬けだった。
ヴォイストレーニング。
ダンスレッスン。
その繰り返し…
そして、初めてレコーディングに撮影と目まぐるしく過ぎる日常。
出来るだけ不安にさせないように、休みの日は美優と過ごした。
それでも、俺が美優不足を感じて耐えられなくなりそうな時には家に来てくれていたり。
今まで以上に何も言わないけど、俺の気持ちが分かるかの様に隣で支えてくれている。
仮デビューが決まりCDの発売が決まった。
「隆クン。見てみて♪」
「えっ。予約したの?」
「当たり前でしょ!ファンだもん♪」
「いや、予約しなくても何枚か貰える事になってるから渡そうと思ってたのに…。」
「いいの!買わないと売り上げにはならないでしょ。」
予約が始まったその日の内に予約をしてきたらしい…
「何時か、TVで活躍する大スター西島隆弘のデビューだもん♪」
そんな風に満面の笑みで大切そうに握られた予約表に照れ臭くも嬉しさが込み上げる。
何時かきっと、美優のその夢を叶えるから…
それからの美優は、どんなに小さい記事でも一瞬しか映らないTVでも、俺と真司郎が出て居るものは全てチェックしてくれていた(笑)
店先に貼られたポスターを期間が終わったら貰える様に交渉したり。
どんだけ俺が好きなんだか//
滅多に、自分から行動する事が無かった美優の小さな変化…
「だから〜。無理に貰いに行かなくて平気だって、俺も真司郎も頼めば貰えるんだから。」
「そっ、そうなの…。ヘヘ。恥ずかしい。」
「そうだよ。けど、人見知りの美優がよく頼みに行けたなぁ。」
「だって、隆クン映ってたから、無我夢中で…」
そう言って顔を赤らめる所はやっぱり美優で、そんな所が可愛くて仕方ない。
美優の全部で応援してくれてる。
それが嬉しくて、俺のやる気と自信。
さらには、力の源になっていた。
もっと美優を喜ばせたい、そんな想いから…
美優にはないしょで、avexのオーディションに真司郎と応募した…。
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作者名:ayu | 作成日時:2017年10月27日 7時