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隆弘side
カレーの売れ行きは上々で割りと速い段階で売り切れた。
「美優早く着替えて来て!」
頷いて渋々更衣室に走って行った。
智「お前人使い荒いよ!」
真「しゃぁないやん。あんなの見せた無かったんやろ?」
「当たり前だ。」
智「どうにかなんないのかね。その独占欲」
真「まあ無理やな。」
「あの、すいませ〜ん。今お暇ですか?」
いきなり知らない女が話し掛けて来た…
智「えっ?!まぁ暇だけど。」
「暇じゃねぇし!」
「良かったら私達と一緒に回りません?」
「だから暇じゃねぇって言ってんじゃん。」
誰だか知らないのに優しく出来る程気持ちに余裕なんか無いんだよ。
真「にっしー。そんな言い方すんなや。」
智「あっ、美優来たぞ。」
真「悪いんやけど友達待っとるんやわ。ごめんな。」
俺は美優を見付けて駆け寄った。
「お待たせ。隆クンモテモテだね!」
少し皮肉っぽく言って微笑んだ顔…
「興味ねぇよ。」
そう言って腕の中に美優を閉じ込めた。
智「見せ付けんなよ!」
「やめて。恥ずかしい…」
真「なぁ美優、学校案内してや!」
「うん。ほら、隆クン行こう!」
腕の中からスルっと抜けて真司郎と智に笑顔を向けた。
今日はこんなんばっかり。。。
智と真司郎に挟まれて楽しそうな美優…
正直ムカつく…
途中から合流した紗愛と結愛…
今度は紗愛と結愛に挟まれて…
真「にっしー顔めっちゃヤバいで。」
智「どうせヤキモチだろ(笑)」
「……」
どうせそうだよ。
すれ違う男子が美優達に話し掛けて笑いあう。
じゃぁなって去り際に頭をくしゃって撫でて…
さっきから、Aって男子にも女子にも呼び止められてるし
俺の知らない美優ばっかり…
美優は俺の何だけど…
「智、俺。限界だわ…」
智「何だよ急に…」
「悪いけど皆と回って…」
それだけ伝えて美優を呼び寄せた。
「美優、ちょといい?」
「なぁに?」
「俺、無理だわ…」
不思議そうな顔で俺を見る美優の手を引いて歩きだす。
智「にっしー?」
真「何処行くねん?」
呼ばれた声に返事もしないで歩き続けた。
「ねぇ、隆クン、智クンも真ちゃんも呼んでるよ。」
「…」
「ねぇ、聞いてる?」
「聞いてる。でも、無理。」
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作者名:ayu | 作成日時:2017年10月27日 7時