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隆弘side
去年は、不安と期待がごちゃ混ぜになってこの道を歩いた。
あの日は、こんなに大切な人になるとは思わずただ好きだって感情だけ…。
繋がれた手、露店を見ながら歩く。
浴衣姿の美優に振り返る男。
見せたくねぇなぁ…
去年もこんな事思ったけ…。
真司郎が言ったけど、浴衣めちゃくちゃ似合ってて俺は言葉が出なかった…。
独り占めしたくて…
誰かの目に写る事さえ嫌で堪らなくなる。
どうしてこんななんだろう。
こんな事気にする俺じゃ無かったのに…
美優の事になると余裕が無くなるのは相変わらず。
花火の前に露点で買い物じゃがバターに焼きトウモロコシ勿論タコ焼きも…
甘いもの好きの美優はチョコバナナとワタアメ
見回した時にはやっぱり皆居なくなってたw
美優の手を引き去年と同じ所に向かった。
何組かのカップルは居たけど、空いてる
美優はレジャーシートを持って来てて、今年はカッコつけさせて貰えない(笑)
体育座りで膝に頭を乗せこっちを見てる美優
「隆クンが美味しそうに食べる所好き。」
不意に呟く一言に思わず吹き出した俺
笑いながら、ウエットティッシュとお茶を差し出してくれた。
些細な事で笑い合い。
二人で穏やかに過ごす時。
何よりも一番居心地がいい。
大きな音と一緒に空を彩る花火
「わあっ、キレイ。。」
花火を見詰める横顔。
後ろに周り包み込んだ…。
振り向き見上げる瞳に写る俺の姿。
「どうしたの?」
「ん、去年の事思い出してた。」
「そっか。」
「ねぇ、美優…。
俺の事好きになってくれてありがとう。」
「こちらこそありがとう?」
不思議そうな顔で疑問系な返事。
「こんな俺の傍に
1年も居てくれてめっちゃ幸せ。」
「そんな…私もだよ。」
「俺さ、やっぱ記念日とか忘れちゃうけど
付き合った日だけは忘れないから…。」
「うん…。」
「この先ずっとこの日だけは
絶対一緒に居ような!まぁ明日だけど(笑)」
「ふふ。隆クン……ありがとう。」
俺の腕を抱き締める美優
腕に伝う雫…
また、泣いちゃったw
力一杯抱き締めると
「隆…くるしいー。。」
ジタバタする美優。
笑いながら花火を楽しんだ…。
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作者名:ayu | 作成日時:2017年10月27日 7時