拾われた女【賭ケグルイ】【約ネバ】 (ページ32)

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定楽乃「…凜。あの子(・・・)もここに連れてきたのか？」

凜「…あぁ、そうだね。今ここにはいないけれど、僕と一緒に学園に同行しているよ」

突然の意味深な話題に、周りの代表者達は訝しげな顔をした。

ミラ「…？誰の事を言ってるんだ？…凜、説明しろ」

ミラスラーヴァの言葉に同意するように、代表者達の視線が凜に向いた。

凜は一つ息を吐いて、いつものような微笑をたたえた。

凜「……そうだね。彼女も尾喰の子になったんだ、この際だから正直に話すよ。

僕と定楽乃が言っているのは、尾喰に買われた養子だよ。出会ったのはつい最近なんだ」

凜は慈しむように目を細めて話す。その表情に定楽乃達は密かに驚いていた。

定楽乃(…………あの表情)

凜「結論から言うと、あの子…Aは、安易に手出ししてもいい様な子ではない。

間違いなく強い勝負師(ギャンブラー)だよ。ギャンブルに必要な物を兼ね備えている。

僕が全力で挑んでも破られたんだ。

＂天才＂というのはあの子の事を言うんじゃないかな。

…認めざるを得ないよ」

ユミ「えーっ！？それってすごくない！？」

ミラ「…彼女は協定に加わっているのか？」

凜「うん、僕からも指示しているから。Aから手出ししてくる事は無いと思うよ」

凜(…というか、Aの性格上一族と争おうとはしないだろうね。あの子は良くも悪くも優しすぎる)

凜は目を閉じてAの姿を思い浮かべる。

部屋はAの話を聞いてからというものの、異様な沈黙に包まれていた。