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No side
百喰一族。本家となる桃喰家を筆頭に、多数の分家が連なって構成されている。
そして、その分家達を纏める家が存在している。
それは等々喰家。今朝はそこで分家の代表者達が集まり、臨時の会合が開かれていた。尾喰家代表として凜も参加している。
理由は一目瞭然。桃喰家の現当主であり、百花王学園の生徒会長である桃喰綺羅莉が、
生徒会長の座、そして百喰当主の座を賭けてギャンブルを仕掛けたからである。
分家達は来たる生徒会長選挙の日の為に備えようとしていた。
分家のリーダーであり、車椅子に乗った少女・等々喰定楽乃は話す。
定楽乃「…��協定��を結ぼう。
選挙期間中、私達は綺羅莉を倒すまでは争わない。
妨害する事も足を引っ張る事も許されない」
定楽乃が言い渡すと、各代表者達は静かに賛同の意を示した。
.
.
会合が終わり、部屋から代表者達が去っていく。
凜も部屋を出ようとドアノブに手を掛ける。
だが。
定楽乃「そういえば、凜。最近養子を入れたそうだな。そして並外れた才を持っていると」
定楽乃が凜を呼び止めた。
その言葉に、彼の瞳孔が揺れ動く。
凜「…それ、どこから？」
定楽乃「教える必要はないだろう」
定楽乃の返事に、凜は僅かに眉間を寄せた。
凜(…………尾喰の大人達が報せたか？それとも、等々喰の詮索か？いや、それとも___________)
定楽乃「お前と同い年の人らしいな。……学園まで連れて行くのか？」
考え込んでいた凜はすぐさまいつもの微笑みに切り替えた。
凜「うん。だって……
定楽乃「……そうか」
そのやり取りを最後に、凜は部屋を去った。
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作者名：サナ | 作成日時：2022年1月8日 22時
