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最終ターン。
徐々にだが、凜の行動が読めるようになってきた。
相変わらず表情は動かないけれど、どうやら視線や指先は正直らしい。
そして彼とだいぶ話せるようにもなってきた。
…ゲームはプレイスタイルにその人の本性が表れる。
凜は案外、保守的に立ち回るタイプのようだ。でもその実は深い思慮がある。時々嘘を交えながら、他人の心理を操ることも出来る。
詐欺師らしい…とも言えるかもしれない。
____________そして数十分後。
凜「これで最後だね」
『はい、もう開いてしまいましょう』
ショウダウン。いよいよ決着が付く。
自身に来た手札を見て、ふぅ、と一息吐いた。
『……。
凜さん、貴方は強い。この一戦でよく分かりました』
凜「そっか。君にそう言ってもらえて光栄だよ」
凜は再びニッコリと笑った。
けれど____________私は貴方より遥かに強い人と戦って、勝ってきた。
ただの所有物ではない、って事を今ここで証明してあげましょう。
私は手札を開示する。
凜「…!!」
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『…ロイヤルストレートフラッシュ』
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作者名:サナ | 作成日時:2022年1月8日 22時