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それから。
茨と話し込んだ後は、ただ静かな時間だけが過ぎていった。
入浴を済ませ、暫く読書に耽っている頃だった。
凜「やぁ、A。入ってもいいかな」
『……どうぞ。今度はどうされました？』
今度は凜が自室にやって来た。
相変わらずの営業スマイルで身体が固まる。
(…………分かってるのかな。作り笑いだってバレてる事を)
凜「少しは目を見て話して？初めて会った時のようにさ」
『……。そ、それは…ごめんなさい』
…凜と目を合わせての会話も、まだ少し怖い。
彼は常に笑う。それは愛想が良いからでは無く、人に警戒させない為の手段だから。
動揺しても、怒っても、悲しくても…笑みを絶やそうとしない。それが彼の恐ろしくて、凄いところだと思う。
凜「…あぁ、もしかして警戒してるの？もっと気楽に接してくれてもいいのに」
『………気付いていたのですね』
凜「僕は詐欺師だからね。嘘をつく事が稼業なんだ。人の心情くらい、少しは見抜けないとね」
にこりと笑い、顎に指を滑らせてくる。
…そういう所なんだけどな。
『…ところで、何か私に用があったのでは？』
凜「ああ、そうだね。
…こんな時間で悪いけど、編入まで日もないし今のうちに済ませてしまおうと思って」
『？……何をです？』
凜「フフッ、決まってるじゃないか。
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ギャンブルの手解きさ」
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作者名：サナ | 作成日時：2022年1月8日 22時
