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『…そう。凜さんは優しいのね』
茨「そーなんだよなー！凜さんは俺が嘘を吐かないようにしてくれてるし」
『ああ、なるほど…』
…つまり、こういう事だろう。
詐欺というのは、��嘘��と��本当��の事を上手く交えて話す。
茨は正直に話せる部分だけを伝えて、凜が嘘を吐けばいい。
上手く考えたな。
茨「……なぁ、A」
茨は真剣な顔つきに変わった。
『？…どうしたの？』
茨「Aはさ……俺みたいな正直者の事、どう思うんだ？
詐欺の家系に生まれておいて嘘がつけねぇんだ。
本当は……��落ちこぼれ��だなんて思ってねぇか？
お前は俺とは違って、頭も良いし何でも出来るからなぁ」
どこか不安そうな表情で聞いてくる。
……そうか。
彼もやはり劣等感を感じてるんだ。
大人達に嫌われ、蔑まれ、信じられるのは凜1人だけ。
……どれだけ明るく振る舞おうと、本当は不安でいっぱいなのかもしれない。
でも、私は_____________。
『貴方は尾喰茨という人間でしょう？��落ちこぼれ��でもなんでもない。
確かに貴方は「正直者」だけれど、その性質を応用すれば思わぬ力を発揮することもある。ギャンブルでも、詐欺でも。
それに____________』
『…凜さんには、貴方のような人が必要。私はそう思うわ』
茨「！それってどういう_________」
『それは貴方が考えてみて？』
嘘を吐いてきた凜には、本音を語れる茨の存在は必要。
嘘は自分までもを塗り替えてしまうから。
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作者名：サナ | 作成日時：2022年1月8日 22時
