【うた☆プリ】たとえどんなに……【HE★VENS】

＊シオンの癒し ページ5

それから先は、怒涛のスケジュールだった。
最初の仕事は、グループでの雑誌の撮影が２本。
その後は、歌番組に生出演。
どの現場もそれぞれ違うところでやる上に、それぞれが結構離れてる。
なのにスケジュールは容赦ないほどキツキツに組まれているから、移動時間までもほとんど余裕がない。

でも、そんなの売れっ子アイドルにとっては日常茶飯事。
皆もう慣れ切っちゃってるのか、誰一人慌てることもない。
これだけ時間に追われていながらも、移動用の車では各々がマイペースに過ごしてる。
それでいて本番でのパフォーマンスは完璧なんだから、末恐ろしいよね。
ナギが言ってた、“よく体持つよね”って言葉、そっくりそのまま返したい。

そんなことを思いながら仕事をこなしていくうち、とりあえずはじめの３つの仕事は何事もなく終わらせることができた。


A「皆お疲れ様。……って、どうしたのシオン。子供みたいに」

シオン「天草は疲れた……今はそなたで癒されたい」


歌番組の仕事が終わって、楽屋に戻ってきた瞬間、もたれかかるようにシオンが抱き付いてきた。
それを見るなりナギが思いっ切り不機嫌そうな顔をして、ツカツカと近づいてくる。


ナギ「ちょっとシーオーン！！終わった瞬間にAに抱き付くのやめてよね！！」

シオン「ならば、ナギが代わりに天草を癒してくれぬか？」

ナギ「はあ？なんでそうなるのってわっ！！ちょっと、重い！！」

ヴァン「お二人さん、相変わらず熱々ですなあ」

ナギ「変な誤解招く言い方やめてよね！！もうA！！助けてよお！！」


ナギが文句を言ってきたことで、シオンは完全にターゲットを変えたようだった。
まあ、ナギはメンバーの中で一番若いから、抱き付くと癒されるんだろうね。
子供体温ってやつかな？
そう思いながら、私はじゃれ合う二人の様子を微笑ましく見ていた。




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