＊自暴自棄 ページ40
A「……ちょっと、出てもいい？」
もうどうしようもない。
そう思った瞬間、何故か、妙に胸のあたりがすっきりした。
なんか、肩の荷が下りたって言うか……
馬鹿馬鹿しく、なった……
ヴァン「出るって、何処行くんや」
A「社長のところ」
自分でも驚くほどあっさり言葉が出た。
当然、皆は驚いてる。
瑛一「正気か？こんなことになったのは全て……」
A「社長のせいじゃないよ」
瑛一「じゃあ、自分のせいだとでも言うつもりか？」
A「それも違う。誰のせいでもない」
そう言って、私はできるだけ笑顔でこう言った。
A「“仕方ないことだった”ってだけ」
この時の私は、どんな表情をしていたんだろう。
この場にいる全員が目を見開いて、声すら出ないって言いたげだった。
おかしいな……
心配させないように、笑顔で言ったつもりなのに……
A「だから、社長にちゃんと謝って、皆はまたお仕事復帰して？超売れっ子アイドルのHE★VENSが、こんなところで消えちゃダメだよ」
瑛二「復帰って……」
綺羅「仮にその後、お前はどうするつもりだ」
A「ちゃんとお父さんのお墓参りして、その後は……わかんない、かな」
ナギ「わかんないって、何それ。僕たちだけ復帰して、Aは辞めるって言いたいの？」
A「うん」
ナギのその言葉に、自分でもびっくりするほどためらいなく頷いた。
その瞬間、まるですがりつくようにナギが抱き付いてきた。
ナギ「ふざけないでよ！！君がどれだけ大事なのか、Aわかってないでしょ！！僕は絶対嫌だよ！！Aがいないまま復帰したって、なんにも嬉しくない！！」
A「ナギ……」
ナギ「Aがいなきゃ、もうHE★VENSじゃないよ……！！絶対に嫌だ……！！いなくなるなんて……絶対に許さないんだからね……！！」
まるで幼い子供のように抱き付いて、必死にそう言うナギ。
表情は見えないけど、肩が震えてるのを見る限り、泣いてるんだってわかる。
私だって……皆といたいよ……
でも……
−−−ヴ―ッ……ヴ―ッ……
不意にケータイのバイブ音のようなものが響いた。
そしてそれは、瑛一のケータイからの音だった。
瑛一は画面を見ると、驚いたように目を見開くと、こう呟いた。
瑛一「七海……？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
十九 雷音(プロフ) - レン大好きさん» コメントありがとうございます！了解いたしました！集計終わるまでもうしばらくお待ちください (2017年4月15日 0時) (
レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
レン大好き - うたプリ単体だったら誰でも構いません。 (2017年4月14日 20時) (レス) id: 1ed5a5bed0 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» 期待に応えられるようにがんばらせていたしました！いただきます((((;゜Д゜))) (2017年2月5日 12時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 十九 雷音さん» はわわ、そうだったんですか！？この主人公ちゃんにも何か辛い過去が………さらに続きが楽しみになってきましたーーー！！！！ (2017年2月5日 11時) (レス) id: 88b1fe7b13 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» ひぇぇ勿体なきお言葉です((((;゜Д゜))) 最初ナギ、オフで主人公ちゃんを連れ回して、主人公の過去を聞いちゃう話だったのですが、流石にナギだけが聞くのはなと思いこちらに(￣▽￣;) 同時に瑛一は一番最後の予定でした(￣▽￣;) (2017年2月4日 22時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十九 雷音 | 作成日時：2017年1月1日 21時
