*どうしようもないこと ページ39
A「んっ……」
目が覚めると、真っ白な天井が目に入ってきた。
次に、白いレースのカーテンがかかった窓。
そこから漏れる光。
消毒液のようなにおい……
酷く、久しぶりなような気がする……
「A……!!」
名前を呼ぶ声がして、私はゆっくりとそちらを向く。
そこには、心配そうに私を見る、皆の顔……
A「皆……」
綺羅「もう、大丈夫か?」
A「えっ……?」
ナギ「もしかして覚えてないの?A、救急車で運ばれたんだよ?」
救急車……?
……あぁ、そう言えば私、倒れたんだっけ……
いろいろ考えてたら、頭の中ぐちゃぐちゃになって……
倒れて病院に運ばれるなんて……
まるで……
A「お父さんと、同じ……」
無意識にそんな言葉が口から出た。
その瞬間、重い沈黙がその場に下りた。
暗い雰囲気にしちゃったってことは、わかってる。
いつもなら元の明るい雰囲気に戻そうとするけど、今は……とても……
大和「……チッ!!余計なこと考えてんじゃねぇよ!!」
瑛二「大和、病院なんだからもう少し……」
大和「うるせぇ!!んなこと知らねぇよ!!おいA。お前の親父のこと、確かにキツかったってのはわかる。けど……もうどうしようもねぇことだろ!!」
どうしようも、ないこと……
ヴァン「大和、もうちょい言葉選びい。Aちゃんかて今相当しんどい筈やっちゅうんはわかるやろ」
大和「あぁ?実際そうだろうが。めそめそ泣いてて親父が戻ってくるんなら訳ねぇぜ」
ヴァン「お前本気で言うとるんかそれ!!」
瑛一「よせ。ここで争ってもAがいっそう落ち込むだけだ」
珍しく熱くなったヴァンと、それに反論しようとする大和を、瑛一がなだめる。
おかげでそれ以上大事になることはなかった。
ごめん……二人とも、元気づけようとしてくれたのは、伝わってるよ……
大和の言う通り、泣いてもお父さんは戻ってこない……
もう……どうしようもないこと、なんだ……
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十九 雷音(プロフ) - レン大好きさん» コメントありがとうございます!了解いたしました!集計終わるまでもうしばらくお待ちください (2017年4月15日 0時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
レン大好き - うたプリ単体だったら誰でも構いません。 (2017年4月14日 20時) (レス) id: 1ed5a5bed0 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» 期待に応えられるようにがんばらせていたしました!いただきます((((;゜Д゜))) (2017年2月5日 12時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 十九 雷音さん» はわわ、そうだったんですか!?この主人公ちゃんにも何か辛い過去が………さらに続きが楽しみになってきましたーーー!!!! (2017年2月5日 11時) (レス) id: 88b1fe7b13 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» ひぇぇ勿体なきお言葉です((((;゜Д゜))) 最初ナギ、オフで主人公ちゃんを連れ回して、主人公の過去を聞いちゃう話だったのですが、流石にナギだけが聞くのはなと思いこちらに( ̄▽ ̄;) 同時に瑛一は一番最後の予定でした( ̄▽ ̄;) (2017年2月4日 22時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十九 雷音 | 作成日時:2017年1月1日 21時