*知らない間に ページ33
瑛一「親父、いるか?」
向かったのは、レイジング事務所の社長室。
もうこんな時間だから流石にこんなところにはいないだろうと思ってた。
けど……
レイジング「何用だ。揃いも揃って騒々しい」
いた。
まだ、お仕事中だったのかな?
A「お仕事中に、それもこんな時間にすみません。あの、社長に聞きたいことがあって……」
レイジング「聞きたいこと?手短に話せ」
いつもながら放たれる威圧感に、一瞬聞くのをためらった。
けど、ここまで来たんだ……皆も、来てくれたんだ……
これは、私が言わないとダメなことだから……
A「単刀直入に聞きます。父の治療費を肩代わりするという話……本当、なんですよね?」
必死に絞り出した言葉だった。
その瞬間、周りに緊張が走る。
そんな張り詰めた空気とは裏腹に、社長は嘲笑うように鼻で笑って見せた。
レイジング「何を言い出すかと思えば、くだらんことを」
瑛一「あんたにとってはくだらないことでも、Aにとってはそうじゃない。事情を知っているあんたならよくわかってる筈だろう」
レイジング「あぁ。よくわかっている。だからこそ、見舞いに行くなと固く禁じていたのだ」
大和「ってことはてめぇ……まさかその話……」
レイジング「早合点するな。由野 A。貴様の父親の“手術費”は、確かに出した。だが……“結果”まで保証するなど誰が言った?」
その一言に、息が止まりそうなほど衝撃を受けた。
“手術費”は確かに出した。
けど、“結果”までは保証しない……
それって……つまり……
A「お父さんは……」
レイジング「とっくの昔に、死んでいる」
その一言が、とどめだった。
お父さんは、とっくに死んでた……?
レイジング「ついでに答えてやろう。貴様の父が守り抜いてきた、由野プロダクションも、父親の死と共になくなっている」
事務所まで……
嘘……嘘だよね……?
お父さんも事務所も、何もかも、知らないうちに全部なくなってたなんてこと……
嘘だって言って……
そうじゃないなら悪い夢だって……!!
ねぇ……
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十九 雷音(プロフ) - レン大好きさん» コメントありがとうございます!了解いたしました!集計終わるまでもうしばらくお待ちください (2017年4月15日 0時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
レン大好き - うたプリ単体だったら誰でも構いません。 (2017年4月14日 20時) (レス) id: 1ed5a5bed0 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» 期待に応えられるようにがんばらせていたしました!いただきます((((;゜Д゜))) (2017年2月5日 12時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 十九 雷音さん» はわわ、そうだったんですか!?この主人公ちゃんにも何か辛い過去が………さらに続きが楽しみになってきましたーーー!!!! (2017年2月5日 11時) (レス) id: 88b1fe7b13 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» ひぇぇ勿体なきお言葉です((((;゜Д゜))) 最初ナギ、オフで主人公ちゃんを連れ回して、主人公の過去を聞いちゃう話だったのですが、流石にナギだけが聞くのはなと思いこちらに( ̄▽ ̄;) 同時に瑛一は一番最後の予定でした( ̄▽ ̄;) (2017年2月4日 22時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十九 雷音 | 作成日時:2017年1月1日 21時