*割れた意見 ページ25
綺羅「随分と、急だな」
ヴァン「けど、よかったんちゃう?Aちゃんがワイらの付き人始めてそれなりに経つけど、今まで何の音沙汰もなかったしな?」
瑛二「そう言えば、そうだね。おめでとう、A」
大和「つっても、まだ曲ができたってだけだろ。ここからどうなるかはA次第だろ?」
シオン「案ずることはない。Aならば、どんな深い迷宮も潜り抜けるだろう」
……えっと、一応皆、喜んでる?
一瞬シンとなったからちょっと焦ったけど、どうってことなかった。
ありがとう、頑張るね!!
そう言おうとした時だった。
ナギ「ちょっと待ってよ。Aのデビュー曲ができたのは、確かに嬉しいけど、でも……それってさ……」
ナギだけが、煮え切らない表情でそう言った。
ナギの言葉に、皆首をかしげてしまっている。
けど、瑛一が何かに気づいたのか、真剣な表情でこう言った。
瑛一「Aが正式にデビューするということは、俺達の付き人をする必要もなくなるということ……」
その言葉に、さっきまで喜んでいたメンバーは驚きを隠せないでいた。
言われてみれば、そうだ。
私がHE★VENSの付き人をしていたのは、デビューする前の“研修”のようなものだった。
デビューが決まれば、それは必要なくなる。
自動的に、皆と離れることになる……
瑛二「……でも、まったく会えなくなるわけじゃないよ」
ヴァン「せや。確かに、今までみたいにずっと一緒にとはいかへんやろうけど……でも、同じ事務所におるんなら、いつでも会える。せやったら邪魔しちゃいかん」
大和「そういう問題じゃねぇだろ。ずっと一緒にやってきて、もうこいつはHE★VENSのメンバーも同然じゃねぇか。なんでそんなさらっと割り切れんだよ」
ナギ「僕も大和に賛成。さっきも言ったけど、確かにデビュー曲ができたのは嬉しいよ。けど、それとこれとは話が別だよ」
シオン「Aの欠けたHE★VENSなど、あり得ない」
綺羅「だが、仕方のないこともある」
意見が、真っ二つに割れてしまった。
私とHE★VENSは、違うアイドル。
“付き人”って“仕事”で、一緒にいただけ。
“時期”が来れば、離れなきゃいけなかった。
ちょっと考えれば、わかることだった筈……
今まで見ていなかった残酷な現実に、私は、何も言えなかった。
メンバーの中でも、意見が大きく割れてしまった。
だけど、瑛一だけは、どちらとも言わず、ただ険しい表情で黙っているだけだった。
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十九 雷音(プロフ) - レン大好きさん» コメントありがとうございます!了解いたしました!集計終わるまでもうしばらくお待ちください (2017年4月15日 0時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
レン大好き - うたプリ単体だったら誰でも構いません。 (2017年4月14日 20時) (レス) id: 1ed5a5bed0 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» 期待に応えられるようにがんばらせていたしました!いただきます((((;゜Д゜))) (2017年2月5日 12時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 十九 雷音さん» はわわ、そうだったんですか!?この主人公ちゃんにも何か辛い過去が………さらに続きが楽しみになってきましたーーー!!!! (2017年2月5日 11時) (レス) id: 88b1fe7b13 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» ひぇぇ勿体なきお言葉です((((;゜Д゜))) 最初ナギ、オフで主人公ちゃんを連れ回して、主人公の過去を聞いちゃう話だったのですが、流石にナギだけが聞くのはなと思いこちらに( ̄▽ ̄;) 同時に瑛一は一番最後の予定でした( ̄▽ ̄;) (2017年2月4日 22時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十九 雷音 | 作成日時:2017年1月1日 21時