＊渡されたもの ページ23
A「失礼します」
レイジング社長に呼び出された私は、ノックをして中に入った。
呼び出した張本人である社長は、立派なデスクに背中を向けて座っていた。
A「あの、ご用件は……」
渡すものがあると聞いて来たものの、社長は背を向けたまま本題に入ろうとしない。
何かを考えているのか、それとも機嫌が悪いのか……
……できれば後者でないと思いたい。切実に……
レイジング「貴様に渡すものがある。だからここへ呼び出した。だが……」
そこまで言って、社長はようやく私の方を見る。
って言っても、椅子を横に向けて、視線だけで見てるだけだけど……
レイジング「はじめに確認しておく。由野 めぐ。貴様は我がレイジングエンターテインメントに所属するアイドルとして、どんな仕事も、どんな“役目”もこなすか？」
A「へっ？はい！！勿論！！」
予想もしていなかった質問に一瞬驚いたけど、私は迷うことなく頷いてみせた。
この人には、大きな恩がある。
それを返すためなら……どんな仕事だって引き受ける。
汚れ仕事だろうとなんだろうと、社長が止めない限り、なんでも……
そう思ってそう答えると、社長はどこか満足げにニヤリと笑って見せ、デスクの上にケースに入った一枚のCDを差し出した。
A「これは？」
レイジング「貴様にとって……いや、貴様が“デビューする”為に、必要なものだ。ここまで言えば察しが付くだろう」
デビューするために、必要な物……
A「デビュー曲……？」
そう答えると、社長はニヤリと笑って見せる。
やっと、レイジング事務所のアイドルとして、正式にデビューできるんだ……！！
……でも……
A「なんか、随分急ですね？今までこんな話、一度も……」
レイジング「突然の番狂わせなど、この業界ではよくあることだ。それとも、せっかくのチャンスを棒に振るか？」
A「それは違……！！」
レイジング「気にくわぬというなら、条件を出そう。正式にデビューが決まれば、“父親”への面会を許す」
“父親”。
その言葉が出た瞬間、私は大きく目を見開いた。
ここへ来て以来、一度も会えていない……
“お見舞い”にも行けていない……
デビューが決まれば、お父さんに会える……
そう思った瞬間、考えるよりも先に、“やります！！”と、口が動いた。
社長の真意を、何も知らないまま……
レイジング「……まあ、会えるものならな」
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十九 雷音(プロフ) - レン大好きさん» コメントありがとうございます！了解いたしました！集計終わるまでもうしばらくお待ちください (2017年4月15日 0時) (
レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
レン大好き - うたプリ単体だったら誰でも構いません。 (2017年4月14日 20時) (レス) id: 1ed5a5bed0 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» 期待に応えられるようにがんばらせていたしました！いただきます((((;゜Д゜))) (2017年2月5日 12時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 十九 雷音さん» はわわ、そうだったんですか！？この主人公ちゃんにも何か辛い過去が………さらに続きが楽しみになってきましたーーー！！！！ (2017年2月5日 11時) (レス) id: 88b1fe7b13 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» ひぇぇ勿体なきお言葉です((((;゜Д゜))) 最初ナギ、オフで主人公ちゃんを連れ回して、主人公の過去を聞いちゃう話だったのですが、流石にナギだけが聞くのはなと思いこちらに(￣▽￣;) 同時に瑛一は一番最後の予定でした(￣▽￣;) (2017年2月4日 22時) (レス) id: c9d99963ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十九 雷音 | 作成日時：2017年1月1日 21時
