第44話 ページ49
―――翌 IH予選2日目。
第3回戦 烏野高校vs青葉城西高校開始。
先日の伊達工戦と同様に、会場内に溢れかえる声援。
……と、それに負けず劣らずの女子たちの黄色い声援が入り混じる。
公式WUが始まって、みんなも青城の応援に負けないように必死に声を出す。
私もボール拾いに集中するが、…どうにも視線が痛い。
その犯人は分かっている。及川さんだ。
めっちゃ見てくるくせして、こっちが振り返ると焦ってそっぽを向く。
『…なんなんだ、本当に』
「どうかした?」
『あ、いえ!なんでもないです』
「それにしても、及川君は選手を良く見てるんだねぇ…」
武田先生に声をかけられて、意識をこちらに戻す。
潔子さんは先生が言っていることにいまいちピンと来ないみたいだけど、私は先生の意見にものすごく同意だ。
昨日自分たちの試合のあとに青城の試合を見てたとき、繋心さんが言っていたけど、及川さんは味方の実力を100%引き出すセッターだ。少なくとも現時点で、県内でセッターとして一番優秀なのは及川さんで間違いないだろう。
前回の練習試合では2年のセッターの人だったから、及川さんがいる青城と最初から試合をするのは今日が初めて。どこまで、通用するんだろう。
…いや、通用するとかそんな考え方してちゃだめだ。
私たちは勝ちに来たんだから。
「あ、そろそろ試合始まる」
『じゃあ私上行きますね!…あ、そうだ影山!』
上へあがる前に、影山に一声かけることにした。
基本的に冷静な影山のことだから大丈夫だとは思うけど、及川さんをすごく意識しているだろうから落ち着かせる意味も込めて、念のため。
「?…なんスか?」
『及川さん多分、こっちの試合見て研究してると思う。
変人速攻も何かしら対策取ってくると思うし、ツーとかいきなりやってくる可能性もある。
…だけど及川さんばっかり意識しちゃだめだよ。
今の君には日向君や、みんながついてるんだから』
「うス!」
まあこんなこと言わなくても影山は十分理解してるだろうけど。
ずっと自分の先を行く先輩だからね。
「整列ー!!」
さあ、いよいよ始まる青城戦。
ここを勝ち進んで、先へ行くんだ。
168人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます!なんて嬉しいお言葉…!!のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます!! (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふぃる | 作成日時:2020年2月7日 11時