第25話 ページ28
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みんながほとんどいなくなって、私はまたしばらく放心状態に陥った。
ただのマネージャーの分際で、練習で疲れているはずのみんなにたくさん迷惑をかけてしまった。私が逃げたりせずに一人で対処できればよかった話なのに。
恐怖心が落ち着いてくると、今度は自己嫌悪が襲ってくる。
…でも、一つだけ良かったことがある。
『……潔子さんが、いなくてよかった』
そのことに心の底からほっとして、思わず声に出してしまった。
溜息とともに出てきたこの言葉は、みんなに聞こえてしまっただろうか。
隣では久志が優しく背中をぽんぽんと叩いてくれる。普段だったら「私は赤ちゃんかよ」なんて言って茶化すところだけど、今はそんなこともできそうにない。
「A、はい。飲めるか？」
『…ありがとう、成田』
すぐそこの自販機で買ってきてくれたであろうペットボトルを渡される。…綾鷹だ。私がペットボトルの緑茶は綾鷹しか飲まないことを知っての配慮かな。キャップも緩く開けておいてくれてあるし、成田もさり気なくできる男だ。
「…とりあえず、部屋入りませんか？Aさん乾かさないと、風邪ひきますよ」
「それもそうだな。…俺らが女子部屋入るのもあれだし、男子部屋でもいいか？」
『あ、はい。私は大丈夫です』
髪が濡れっぱなしだったことを思い出した途端に、急に寒気がしてきて身震いする。と、月島君がそっと自分のジャージを貸してくれた。優男。
スガさんは「よっしゃ俺が乾かしてやるべ！」とか言っていち早く部屋に戻って、意気揚々とドライヤーを掲げている。こうなったスガさんは大抵大地さんとかじゃなきゃ止められない。正直自分のために何かをするやる気が、全く持って起きないから助かる。
スガさんが操縦するドライヤーの風に煽られていると、大地さんを筆頭にみんなが戻ってきた。
「A！！！！！」「大丈夫か！！！！！！！！」
『うひゃっ』
大声で叫んで飛びついてきたのは、まあ案の定田中と西谷。私は潔子さんみたいに運動神経も反射神経も良くないから、避けられず大人しく捕まる。けどすぐに「やめなさいっ」って縁下が離してくれたから助かった。
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ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉…！！のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます！！ (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃる | 作成日時：2020年2月7日 11時
