すのぴ９

知らないよね？ ページ43

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深澤side




仕事で共演したタレントさんにコクられた。


まーね、俺モテちゃうからしょうがない。


もちろん答えはノーだけど。




『…それって、篠宮さんがいるからですか？』




ムッとした表情で俺を見てくる。




深「さぁ、どうだろうね。あいつは俺らの姫だから」




Aはすっごくすっごく大事な存在だけど、A抜きにしてもあなたとは付き合えないよ。




『私の方が可愛くないですか？』



…あー。自信満々じゃん。


確かに可愛いな、とも思うけど。




深「Aを外見で判断してるような人は無理だわ」




相手の目が見開かれる。




Aは美人だよ、でもそれだけじゃない。


ずっと見てきてんだ。


同じグループになる前から、女のジャニーズってことで存在は知ってたし、他の人から話を聞いたりもしてた。


グループに入ってくれてからは、どんどんAのこと知っていった。


お酒好きだしだらしないとこあるしガサツだし、そういう短所もたくさん持ってるけど。


仕事に対して努力を積み重ねている人だ。


女だからってナメられんの悔しいって言って、陰で頑張って。


今年なんて歌舞伎で腹筋太鼓しちゃったからね。


泣きながらもがむしゃらにストイックに諦めない子。


優しくて気配りできて、可愛くて色気もあって、甘えたり甘やかしてくれたり、ワガママ言ったぶん体で返してくれたり、１人の女としても魅力的な子なんですよ。


そんなAだから女ながらにジャニーズでやってけてんの。


ただの甘ったれた女じゃないの。


メンバー以外には誤解されてることもあるかもしんないね。


Aのことは、俺らが誰より知ってる。




深「ごめんなさい。もう行きます」




すっげぇイライラすんのはさ。


Aを蔑ろにされたからだろうな。


あー、Aに会いてぇ。


俺はスマホを取り出すと、Aにライン入れた。




深『愛させて』




Aのことたくさんの人に知ってほしい思いはあるけど。


―――そしたらAを狙う不届き物も現れちゃうでしょ。


だからAは俺たちが閉じ込めておくんだ。




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