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過去
「＿＿＿＿落としましたよ、おにいさん」
振り返ると、中学生の彼女が、そこに居た。
ただその時は、彼女のことは、他の忌々しいガキと同じ様な、苛つかせるものだいう認識しか無くて。
その時も、適当に知らない奴を塵にしていた直後で、
死柄木は昂り、かつ苛立っていた。
彼女が拾った死柄木のものを、ひったくるように奪った。
少し驚いた顔をしたものの、
すぐに、今も死柄木の側で浮かべているような笑顔で柔らかく微笑んでいた。
「気をつけてくださいね」
死柄木の顔を見て、怖がることなく。
死柄木の乱暴な仕草や、返事もせずに睨むのに対して、
機嫌を損ねることもなかった。
だが、ふと、死柄木が出した手に彼女の目が留まり、
彼女の笑顔が崩れて、みるみる青ざめていった。
「あなた、血が＿＿＿＿」
手の平には、さっき抵抗されてできたばかりの傷がある。
未だ鮮血が流れている傷は、不審がられて警察に言われてもおかしくない、明らかな刃物によるものだった。
またその傷も、死柄木を苛つかせる要因の一つだった。
＿＿＿＿うっとうしい。
そう言う前に、彼女は俺の手を強く掴んだ。
「なッ………！？」
一瞬、その子供が崩れて無くなるのだと思った。
自分から触れることはあるにせよ、
他者から自身の手に触れられる経験は無いことから、
反射的に目をつぶった。
しかし手から伝わるて熱が消えることはなかった。
目を開け、自分の手を見る。
彼女はまだ、死柄木の手、厳密に言うと傷口に触れないように手首を掴んでいた。
そして手際よく、手のひらの傷口に触れないようにハンカチで巻いていく。
手際が良い。思ったことが顔に出ていたのか、彼女は柔らかく答えた。
「手当には慣れているんです。…痛くないですか？」
俺に答え、優しく手を握ったまま彼女は微笑んだ。
無知は恐ろしいものだと思わず心の中で嘲笑う。
俺が今ちょっと指を動かすだけでお前は死ぬんだ、
そう言ったらどんな反応をするだろうか。
そんな好奇心と悪戯心が刺激された。
「そんな無防備でいいのか？」
ぐっ、と彼女の手首を握る。
耳に唇を寄せて、中指だけを見せびらかすように揺らして、
人が往来する道の中で、楽しそうに囁いた。
困惑して見上げる彼女に、死柄木は微笑む。
「この指が触れたらお前は死ぬ。
見ず知らずの輩への偽善の見返りはこんなもんだよ」
彼女の反応を探るように、腕を握る力を込めた。
だが彼女の反応は、拍子抜けするものだった。
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
