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「じゃあ、行ってくるね」
そのまま少女と2人で寝てしまった。
まだ眠たそうにして、
未だに涙の跡を残す少女の頬に触れ、微笑む。
皆、何かを抱えている。
誰かに頼りたくて、でも助けてもらえなくて。
叫び出したいぐらいつらいと感じている子達が、
この世界には余りにも多過ぎる。
私だけではない。
抱えていることを言い訳にして、
逃げるのは良くない。
そう言って今まで生きてきた。
それなのに、とむらくんと居た世界は、
彼からの溶ける様な愛を享受する世界は、
甘くて甘くて、
一度楽な生き方を知ってしまえば、
戻りたいと思ってしまった。
自分の中の弱さや矛盾が、嫌だった。
嫌なのに、変えることが出来なくて、苦しかった。
誰にぶつければいいのかすら、分からなくて。
「学校頑張ってね、姉さん」
少女は笑いながら手を振った。
きっと、この少女は、苦しんで、泣きながらも、
逃げる事は、しないだろう。
うん、と微笑み、返事をして手を振った。
目の前には、
ヒーロー協会の車。
誘拐後、
こうして朝は車で送迎することになっている。
また事件に巻き込まれないかと監視がされているのだ。
また、特別に携帯電話も持たされるようになったが、
恐らく位置情報がわかる様な仕様だろう。
運転手の人は、
協会が信用している少し年老いた男性だった。
ヒーローではない、普通の人。
彼の家族の話、趣味の盆栽の話と、
素朴ながらも理想の幸せが溢れている温かい話を聞くのが、朝の小さな楽しみになっている。
「おはようございます、」
いつも通りに後部座席に乗り込む。
今日も宜しくお願いします、と微笑みながら、
顔を上げた。
「元気そうで良かった、A」
柔らかい声に、声が詰まった。
運転席に座る人の顔は、前を向いて見えない。
バックミラー越しに目が合った。
彼女を見て、その紅い目が優しく細められた。
「ずっと会いたかった」
彼は此方を振り返った。
黒くて柔らかな髪。
優しい炎の様な、紅色の瞳。
「ゆうくん、」
私が呼ぶと、彼は愛おしそうに笑った。
その頬に触れた。
温もりがあって、柔らかくて。
私の手を取り、彼が泣きそうに笑う。
______涙が溢れた。
「…私も…会い、たかった………っ」
一度も忘れた事はないと、
泣きながら、声を詰まらせながら言い続けた。
彼に頭を撫でられた。
彼は微笑んで、分かってるよ、とだけ言った。
また涙が溢れて、止まることを知らなかった。
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
