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死柄木 トガ side
ビルの屋上からの景色は良く、
風が服や髪をゆるりと撫でた。
視界は開け、よく見渡せる。
「んん〜、見つかりませんねぇ、とむらくん」
トガが柵を掴んで、落ちるんじゃないかと思うぐらい、ぐっと身を乗り出した。
「顔写真と名前だけなんて無茶じゃないですか、
トガ、飽きました」
「Aの記憶無くしたクズだ。
早く見つけて処分しないと」
黒い髪。紅い目。Aと同じ齢は16。
手元にある顔写真を見詰める。
そこら中の業者に頼んでも有力な情報がないのは、
やはり記憶を消しながら逃げているのだろう。
目立った犯行も無く、
静かにこそこそする様な者らしい。
「でも勝手に探して壊しちゃったら、
Aちゃん泣いちゃうかもですよ？
その人、Aちゃんと仲良かったんじゃないですか？」
トガは手元の資料をぺらぺらと振った。
「トガも調べたら、冤罪説も出てましたよ。
まぁほとんど揉み消されてますけど」
「記憶奪って攫おうとする時点でまともじゃないだろ」
「それ、ブーメランですからねとむらくん」
死柄木は顔を顰めた。
しばらく考え込み、首筋を掻き、
諦めたように息を吐いた。
「あーはいはい。そいつも俺も同類だよ。
…だが場所が分かって損することは無いだろ」
「それもそうですねぇ」
くすくすとトガは愉快そうに笑った。
早く2人を会わせてあげたいのは、トガも一緒だ。
だが、雄英の林間合宿襲撃までに、
彼女の安全を確保して迎えることは、少し難しい。
結構多いんですよね、監視。
朝は、ヒーロー協会の車で施設から学校まで登校。
学校にはヒーローである教師と、
強敵なセキュリティシステムがある。
下校まで彼女の同級生が態々施設まで送るものだから、強引に接触しないといけない。
学校の中でも出席不良の女子生徒が居たのは本当に幸運だった。
しかしそれも、頻繁に使ってしまえばいつかはバレる。
ふむ、とトガは顎に手を当てて考え込んだ。
「…Aがほんとに嫌なら、俺は、別に。
やらないけど…でもさあ、______」
ぶつぶつと死柄木は喋る。
「…今度聞いてこいよ。ほんとに嫌か？って」
死柄木はトガに言った。
「またですかあ、そんなに行ったら怪しまれちゃいますよ」
「気になんだからいいだろ」
「はいはい、あっちっちですねとむらくんは」
大袈裟に溜息を吐いてトガは言った。
「しょうがないだろ、お前以外男なんだよ。
他の男をわさわざAに送るかよ」
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
