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だけど私は、彼らがヒーローになるのを見届けるだけで良かったのだと気づいたのは、すぐ後だった。
「お前、本当にヒーロー志望か？」
相澤先生に問われた。
私はきっと熱意が足りない。
クラスメイトがどんどん能力を伸ばしている間、
私はただ彼らを眺めているだけだった。
「成績も、個性も良い。
このまま行ってもヒーローにはなれるだろう。
だが、ヒーローに、お前はなりたいか？」
「……なりたいと思ったことは、ありません」
私は困ってしまった。
私がヒーローになるなんて、到底無理だ。
『敵』を殴って、捕まえて、傷付けるなんて無理だ。
それも、ゆうくんのような『敵』を______
だけど、この学校は、クラスは、
それが出来る者を求めている。
それが痛い程わかってしまって、
もしかしたら私を受け入れてくれる場所はどこにも無いのかもしれないと思った。
「…ヒーロー協会からの推薦で、ここに来ました。
私の意思は、無いですから」
微笑んだ。
それしか出来なかった。
普通科に移籍をするか、と問われた。
その方が良いなら、と私は事務的に返した。
・
次の日に、私はかつきくんに言った。
自分はヒーローに向いていないから、
普通科の移籍を勧められたと。
悩んだ挙句、学校もやめることも考えていること。
かつきくんは私の話を聞いた後、
吐き捨てるかのように言った。
「そんな簡単に手前は諦めるのかよ」
ヒーローを、と彼は続けた。
ヒーローに価値があると信じて疑わない口調で。
「私は、ヒーローに、
そんなに価値があるとは思えない」
思わず言ってしまった。
滑った言葉に、しまったと感じる一方で、
誰でも助けてくれるようなヒーローなら、私の本心も救ってくれるんじゃないかと思った。
笑い飛ばしてほしかった。
手前がそう思うんなら、そうだろ、と。
だけど彼は、
「何言ってンだ、手前」
怒ったように、侮辱されたように、
私を睨み、凄んでいた。
私は半ば泣きそうだった。
彼がヒーローに憧れているのも、
ヒーローに成りたいのも、
私はちゃんと理解している。
彼の価値観を、きちんと理解した上で、私は発言したのだ。
だからかつきくんにも、
私のヒーローに対する価値観を理解してほしかった。
「ごめんなさい」
私は笑った。
「ごめんなさい、かつきくん」
嫌いになった訳じゃない。
だけど、頼れる人だと思っていた彼は、
私の期待をぐちゃぐちゃに踏みにじってしまったのだ。
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
