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「……」
振り払えない。
肩を掴んでいる手が、強くなって熱が伝わる。
もう、逃げることはできない。
ならせめて、と、
すぅ、と息を吐いた。
「いっしょにいる」って約束したから。
精一杯、守らないと。
「……ごめんなさい。
私、何のことか分からなくて」
上辺だけの取り繕った笑顔で、
肩に置かれた手を優しく掴み、そっと離れる。
爆豪の目は真っ直ぐ彼女に向けられる。
その視線を避ける様に、目を逸らした。
「人違いではないでしょうか」
「ンだよ、それ。
誤魔化すつもりかよ」
真剣な声色。
意を決して、爆豪の目を真っ直ぐに見詰めた。
嘘をつく時は、堂々と。
呼吸は整えて、微笑んだ。
「変な人。私、あなたのこと何も知らないのに」
くすくすと笑ってみせる。
何でこの人はこんなにも必死なんだろう、
可笑しいと言わんばかりに笑ってみせた。
爆豪は表情を変えない。
「…ほんとに知らねェのか」
「だから、そう言ってるでしょう」
人を待たせているので。
そう言って振り返えろうとすると、
また腕を掴まれた。
「俺はてめぇが、
黒いパーカー着てる男に手掴まれて歩いてるの見たぞ」
ヒュッ、と喉が鳴った。
うそ、とは言えなかった。
実際にあったことを否定すれば、
それが後ろめたいことだとバレてしまうから。
「なァ、なんか言えねえことあんのかよ。
脅されてるのか？閉じ込められてたのか？」
「何のことか、」
「とぼけてんじゃねえよ！
じゃあ何だよこれは！」
左腕の裾が捲られる。
包帯が巻かれた腕をぐっ、と掴まれ、
痛々しいヒビが露わになった。
「俺がここに来るまで、警察にも学校にも連絡した。
ヒーローも警察もすぐ来る」
大丈夫だから、とかつきくんは見当違いに言った。
私が閉じ込められてて、苦しかっただろうと言わんばかりの口調だった。
「けいさつ……、」
近くでサイレンの音が鳴っている。
とむらくん。
私はあなたの所に帰れないかもしれない。
いっしょにいるって、約束したばかりなのに。
きっと彼は、怒って、また泣くかもしれない。
涙が頬を流れた。
かつきくんは私を抱き締めた。
違う。違うの。
私は怖かったんじゃない。
幸せだった。
今まで無いくらい愛されて、求められて。
だけどヒーローは、信じて疑わない。
私は『敵』に閉じ込められ、
私は『敵』に傷付けられたと。
怖かっただろ、と問いかけるかつきくんに、
私は返事が出来なかった。
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
