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黒霧は死柄木が朝から酒を飲んで酔いながら地下室へ行った後も、
バーでいつものようにグラスを磨いていた。
今は誰もいない、静かなバー。
もうすぐ夕方だから、
いつものメンバーが帰る頃だろう。
そんなことを考えながら黒霧は拭き終わったグラスを棚にしまった。
静かな部屋でも、
少女や死柄木が話す声は聞こえない。
少女がこちらの声を聞こえるのは、トガやトワイスの声が大きいからだ。
耳を澄ませなければ聞こえないような、
囁くような声で少女は死柄木と話す。
もちろん、耳を澄ませる様な無粋な者は、
敵連合の中にはいない。
黒霧も例外では無かった。
しかし、その少女の声が死柄木と少女が居る部屋から聞こえた。
「__が、…っ…ん！」
焦る様な叫び声に、
もしや、と黒霧は思った。
扉に掛かるいくつもの鍵を開ける。
少女のヒビの入った左腕。
少女の腕を見ながら、
はくはくと呼吸が出来ていない死柄木。
「っ！しが_______」
黒霧が名を呼んだ。
呼ぼうとした。
だが呼ばなかった。
信じられない光景が広がったからだ。
少女は自分の左腕を掴み、
その腕がぐにゃりと歪んだ。
歪んだのは一瞬だった。
瞬きする間に、元の腕へと戻った。
肩まで到達し、続いていた崩壊が停止して、
ただの傷口と化した。
今のは。
黒霧はあっけに取られた。
少女は、個性を使った？
手慣れた行動。
今記憶が戻ったとは余りにも言い難い。
少女の死柄木を捉えている目は、
記憶を無くしているような者の目では無かった。
黒霧は確信した。
自分が何をすべきか。
自分が何者か、この少女は分かっている。
つまり、彼女は。
「だいじょうぶ、もうだいじょうぶだよ、
死柄木さん、」
少女は死柄木を抱き締めた。
あやすように背中を優しくさする。
死柄木も次第に力を抜き、
少女に体重を預けた。
ほ、と少女が息を吐く。
部屋ひ差し込む光に気付いたのか、
少女がふと顔を上げ、目を細めた。
茫然と立つ黒霧と目が合った彼女は、
表情の読み取りづらい筈の黒霧を見て、
全て分かっていると言いたげに微笑んだ。
______な い しょ で す よ
ゆっくり口を開けて紡がれる言葉に、
黒霧は部屋の扉を閉めた。
そして、ずるずると扉を背にしてへたりこんだ。
「とんでもない人に惚れましたね______
死柄木_______」
恐れるように溢した黒霧の言葉を聞く者は、
誰も居なかった。
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
