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熾勇「つまりは、この事は柱様方も御存知で、彼女は一切害のない鬼だ、と判断しているのですね。






………… そうですか。」








僕はそう呟いて、胡蝶様の部屋を後にした。








自室へと戻ろうとすると、何やらまた騒がしい。




何事かと思い見に行くと、先程の猪頭の男が竈門様の部屋に入り、勝負をしろと喚き散らしていた。






炭治郎「さっき治療してくれた人が安静にしているようにと言ったんだ。


今すぐには無理だよ。伊之助。」




伊之助「そんなの関係ねぇ!俺は今すぐ誰かと戦いてぇんだよ!!


今度こそお前に勝って…………」




僕の気配に気がついたのか、勢いよく僕の方を向く猪頭の男。



伊之助「ぁ、………… いや、えっと、」




熾勇「竈門様の身体が全快するにはあと十分は欲しい所だ。



なんせすぐに飲まなかったせいで酸化してしまったからね。


それまで待てるのなら好きにするといいさ。但し、」








僕は満面の笑みを見せる。









そう、怒りを孕んだ、歪んだ笑顔。




熾勇「これ以上騒がなければ、の話です。」




そう言ってニッコリと笑うと、明らかに動揺している二人。








すると、禰豆子様が僕の傍へと寄ってきた。





禰豆子「うぅー?」




熾勇「………… そう、だね。騒がしいのは嫌いだから、静かにして欲しいかな。



大丈夫、禰豆子様には怒ってないよ。僕が禰豆子様に怒るだなんて…… そうそう無いと思うけれど。」






……………… やっぱり、彼女の【言葉】が分かってしまう。




別に、悪いことではないけれどね。





熾勇「禰豆子様。炭治郎様が無理をしないよう、よく見てあげていてくださいね。




折角の治療が台無しになりますから。お願い出来ますか?」



そうすると、禰豆子様は、私に任せなさいと言わんばかりに自信満々な顔をする。








ふむ、中々愛らしいではないか。





熾勇「頼みましたよ。」




そうして騒がしかった蝶屋敷は、束の間の静けさを取り戻した。




だけど、やっぱり直ぐに騒がしくなる。









でも、その騒がしさは今までと違った騒がしさだった。

漆→←伍



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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年4月17日 10時

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