【鬼滅の刃】僕の兄様。俺の義勇。【男主】 (ページ38)

今日:23 hit、昨日:24 hit、合計:3,174 hit

参拾漆ページ38

僕は、満面の笑みで【義勇様】の右頬を思いきり殴り飛ばす。

軽く後ろへと吹き飛んだ【義勇様】は、思いきり殴られた右頬を抑えながら、何が何だか分からないと言った顔をしながら僕を見つめた。

義勇「ッ、！？

………… な、…… にを、」

嗚呼、こんな事をされても分からないなんて、本当に救いようがない。

……………… まあ、こうなってしまったのも、ある意味では【貴方】のせいかもしれないね。

【貴方】が、大切な人の傍に居ることを怠ったから、この憐れな【義勇様】も、そうして寄り添う事が出来ないのかもしれない。

熾勇「……………… 自分が殴られた理由が解ったら、僕の元へ来てください。

それ迄、僕にその面を見せに来ないでください。

いいですね、【義勇様】？」

蔑むように【義勇様】を見つめると、放心状態になってしまう。

これは、時間が掛かりそうですね。

熾勇「それまで、どうぞ宜しくお願い致しますね。竈門様。」

そう呟いて、僕はまた冨岡邸へと戻った。

*********

あの様子だと、お節介な竈門様が諭すのかな。

僕は、ただ傍に居てくれれば良かったんだ。

傍で、僕が目を覚ましたら、優しく微笑んで、ただ一言、【おかえり】って、それだけで十分なんだ。

兄様が、この身体が【義焔】兄さんのものであることを知った事で、この身体に害を成すものを排除したい気持ちは分かる。

蔦子さんが鬼に襲われた時は、排除する術を知らなかったから守れなかった。

でも、今はその術を知っている。持っている。実力も備わっている。

だから、兄様にとっての【護る】という行動は、敵を排除する、という事なんだろう。

傍に居ることで、護れることもある事を、【貴方達】は知らないんだね。