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拾玖 ページ20

熾勇「………… お腹すいてるんだ。」







僕の頬を優しく撫でる童磨の手に触れると、童磨はコクリと頷いた。








その反応を見て、僕は童磨の手を取った。













そして、鋭く伸びる綺麗な爪に指を滑らせる。









僕の指はあっけなく引き裂かれ、そこからぽたぽたと血が流れでる。









その瞬間、童磨は突然慌て始める。







童磨「何やってるの!?」









童磨は身につけている自分の服の裾を少し千切り、僕の指に、まるで止血をするかのように縛る。


















……………… おかしいな。







【あの人】の話では、人の心を知らぬサイコパスって聞いたんだけど。







これじゃあまるで、僕が怪我をしたことを心配しているみたいだ。







童磨「………… 少しだけ、痛いかもしれないけど我慢してね。




血液の表面を凍らせて、傷を塞ぐから……」






僕は、童磨の顔を鷲掴みにした。
















熾勇「お前、馬鹿なの?








自分が人間だと勘違いしているの?それとも、さっきまでの胡散臭い教祖様がまだ抜けていないの?




お前は【鬼】だ。腹が減り過ぎれば、いつ理性を失って僕を襲うかわからない。





僕は、お前を殺したくはない。だから、腹が減れば血肉を分けてやる。





お前は、僕の厚意を無下にするの?」








僕がそう言うと、童磨は酷く驚いたような顔をした。









童磨「………… そ、そんな事したら、俺、無惨様に殺されちゃうよ。」



熾勇「嘘をつくな。そんな言葉、お前の本音じゃない。




僕は【鬼】の嘘を見抜く。









それとも、【稀血】じゃない僕なんか美味しくないから食べたくないの?」




その言葉に、童磨はいきなり僕の身体を抱きしめた。








童磨「………… 違うよ、違う。君の事は、本当は今すぐ食べて、食べ尽くして、俺と一緒になって欲しい。











でも、あの時気づいちゃったんだよ。








好きな人を食べても、俺の中に同化させても、








その人が目の前から居なくなったら、存在しなくなったら、

















………… 心臓がすごく苦しくなるってこと。」

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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年4月17日 10時

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