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拾捌 ページ19

熾勇「………… その人達の御相手は?






僕、役割を全うしない人は嫌い。」







僕の言葉を聞いて、童磨は凄く不機嫌な顔になる。





童磨「ねぇ、俺は君と一緒に居たいんだけど。」



熾勇「哀れな人間を救うのが君の役目でしょ?








それに、人間も食えて万々歳じゃないか。」







……………… まあ、僕の見える場所でそんなことをしたら万死に値するけどね。





それに、僕の相手ばかりして狂信者共に



【教祖様を誑かす不届き者】




なんて言って目をつけられたら溜まったものじゃない。






すると、少しため息をついた後に童磨は胡散臭い笑顔で助けを求めに来た人間たちに向き直る。





童磨「待たせて済まないね。さあ、中で話を聞こうか。」





そう言いながら童磨は信者達の相手を始めた。














その間、僕は暇なので建物の裏手で空を眺めていた。











………… 今頃、兄様は僕を心配してくれているのだろうか。












段々と空が暗くなり、星がキラキラと輝き始めた頃







信者達の相手を済ませた童磨が僕を探しに来た。







童磨「吃驚した。居なくなっちゃったかと思ったよ。




いくら俺の縄張りでも、空気の読めない鬼が来ないとも限らない。もう夜なんだから。






待たせてごめんね?風も冷たいし、早く中に入ろう?」




僕の手を優しく取りながら、建物の中へと導いていった。











案内された部屋には、悪趣味なものは何一つなく、建物内から血の匂いもすることは無かった。







さすがに喰うわけないか。








でも、ここに来たのはいいけれど、どうやって兄様に助けてもらおうかな。





まあ、僕の血鬼術で童磨を人間に戻してやってもいいんだけど。






あれこれ考えていると、目の前にふくれっ面の童磨が居た。







童磨「………… ねえ、俺はちゃんと君の言うことを聞いたよ?





本当は喰いたかった人間を、本当に我慢したんだから。



御褒美をくれても、撥は当たらないと思うんだけど。」







そう言いながら童磨は僕の頬を優しく撫でてくる。
















………… 冷たい。

拾玖→←拾漆



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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年4月17日 10時

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