横浜の超絶美少女 実は超強かった

【35】 ページ37

飴村、なんて苗字そうそうないよね…

『飴村幸斗に兄弟は居るか？』

そんな筈は無い…

恐怖に震える身体を抱く


「ああ、居るぜ。……飴村乱数様っつー、弟がな」


乱数は知っていた…？

ならば、残酷過ぎる



美月姉を殺した飴村幸斗の弟…なんてね

私を好きって言ったけど…

そんなん、美月姉と同様に私を殺すつもりだったんじゃない？

ねェ…

私を取り巻く全てを守りたかった

見ようによっちゃ

全てが真実で

全てが虚言だった

姉の事件

私と玲翔は忘れ去った

筈だった


『──っっっっ！！！』


記憶が浮かび上がった瞬間に殴られた腹が痛む

「Aっ！！」

左馬刻に支えられた身体を咄嗟に持ち上げるとお返しとでも言う様に鳩尾に発勁を打った

痛てぇ………

マジ巫山戯んなよ、たかが雑魚が私の事を殴るなんて

「姉さんっ！病院行こう、病院！！」

『は…？どこの？』

「こいつらの処理は銃兎に任せた、俺の知り合いに医者が居る、行くぞ」

『おっけ、任せた…』

飴村乱数、幸斗、美月姉

不安な事は多々残るが、今は玲翔と左馬刻の微笑に身体を委ねようと思った


玲翔side

姉さんの彼氏らしい碧棺左馬刻の車に乗り込む

「どこに向かってるんだ…？」

「はっ、喋り方がAと似てるな。シンジュクの神宮寺寂雷っつー医者ん所だ」

やべぇ奴って聞いてたから姉さん狂ったか？元からだけど…

で、済ませてたが

実際話してみるとそうでもねェな…

美月姉さんを殺した飴村幸斗…の弟飴村乱数

その名前を聞いた瞬間に姉さんは酷く動揺した


俺も、

酷く

動揺した


『たとえ、壊れても、傷付いても、構わない

この道の行き着く先が消え行く運命だとしても

私は玲翔を守り続けるから安心しな

頼り無い姉さんだけどさ…』


家族が姉さん以外居なくなった時

笑みを浮かべた姉さんが言い放った言葉

その目は濡れて居たのに

「深刻そうなとこに首突っ込んで悪ぃが、飴村乱数の兄、飴村幸斗と何があった？」

あれだけ姉さんが動揺して、

気にならない

ましてや、気付かないなんて事無いだろう

「姉さんが言ってないのに俺が言えねぇ」

「…Aが言うと思うか？」

…思わない

まず、碧棺左馬刻に心配を掛けたくない

そう言って何も無かった事にして

誰にも頼らず自分一人で解決しようとするだろう


「菅原美月っつー、姉さんより二個上の姉が居てな、美月姉さんは飴村幸斗に殺されたんだ」

「は…？」


飴村幸斗…お前は今、どこにいる

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