玖ノ話 ページ10
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二週間たって、私は花魁になった。
毎日客が来て、機嫌を取って、こんなに大変な仕事を良くやっているな。と、熟々感心する。
『嗚呼……めんどくせぇ』
禿「涙華花魁、準備御手伝い致します。着物、羽織はお決まりですか？」
襖の後ろから声掛けてから入れって言ってんのに…絶対聞こえてたな。まァ、別にいいか。
『着物、羽織は間夫様が持って来てくれます。着付けも頼めるから問題ありんせん。自分の準備をしておくんなんし』
禿「…分かりました、失礼します」
折角の一人の時間を邪魔されたくないんで、悪いね。
間夫とはまァ、義勇さんの事。
これでOKして義勇さんと任務の話出来なくなったら、それこそ本当に困るし。
内儀「涙華、間夫様だよ」
『すぐ行くと伝えておくんなんし』
内儀「急ぎなね」
軽く頷いてから身軽な着物に着替える。
今回私達は戦闘しなくていいって指示がお館様が出てるから、鬼とコンタクト、情報を取ってそれを天元さんに渡すだけ。
花魁になってから、二日たち。花魁道中も二回経験した。が、花魁道中の時に見世と見世は道を分けてすれ違う。
その時、匂いで音で感触で分かるはず。
なのにまだ見つけられてないから、多分まだすれ違うどころか、その鬼がいた場所にさえマークが付けられてないんだろう。
『意外に難しいですね……コンタクトを取るのは』
富「俺も色んな店に行って探しては居るが、気配的にそれらしい物は居ないな」
『多分相当な金支払わないと会えない高い位に居る花魁なんでしょう。中身はただの人間喰うしか脳に無い鬼なのに』
富「店に入るのも気が引けてな……」
『あんま無理しなくて良いのに』
私はまだ、色っぽく話して男堕として金巻き上げればいいだけだけど。
私も店は入れって言われたら死んでも嫌だもん。
富「俺はお前の間夫なのか？」
『そうしないと毎日会いに来る理由にならないでしょう』
富「……お前は俺の事が嫌いか？」
『好きですけど？』
富「そうか、なら良い」
何が良いのかよく分かんないけど。
心做しか嬉しそうな顔をしてるから、私もつい口角が緩む。
途中で義勇さんに何故か着物と羽織を買ってもらった。
最初の予定では私の屋敷にあるのを持ってきてもらってそれを着るはずだったんだけど、義勇さんが私に買ってくれるって言うから。
有り難ァくね。
丁度綺麗めの着物と羽織欲しかったし。
今日の花魁道中は、義勇さんと無一郎も気配を探ってくれるらしい。今日で鬼を見つけ出す気だと。
『宜しく頼んます』
富「嗚呼。任せろ」
あぁ…広く逞しい背中が頼もしい。
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冨岡義勇が大好きな人 - すみません。冨岡さんルートの先のストーリーがURLでの移動ができません。これはどうしたらいいのか教えてください。 (2020年3月5日 0時) (
レス) id: eedc890ee9 (このIDを非表示/違反報告)
エメラルド・アリス - ぐぁんばれぇぇぇ((おい敬語だろ すいませんでした (2020年2月16日 13時) (レス) id: 8a3a604a3a (このIDを非表示/違反報告)
かりんとうまんじゅう - いつも楽しみに読ませていただいてます！これからも頑張って下さいね！ (2020年1月7日 22時) (レス) id: 5b8fccba8f (このIDを非表示/違反報告)
むい。(プロフ) - ムニエルさん» あ、はい。よくやるんですよね全く。ありがとうございます (2020年1月3日 9時) (レス) id: 830124773a (このIDを非表示/違反報告)
ムニエル - す、すいません義勇さんの冨が誤字ってます (2020年1月3日 4時) (レス) id: 12d65f590d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：24suganoya | 作成日時：2019年8月4日 23時
