漆ノ話 ページ8
・
『あれ…羽織どこやったっけ……』
富「そこにあるぞ?」
『あぁ、ホントだ。……っ!?!?はぁぁぁ?義勇さん、なんであんたここに居るんですか』
羽織を探していたら後ろから義勇さん出てくるとか聞いてないんですけど。
本当に上手く気配消すな……この人。
富「Aが遅いから来た」
『それは分かってますよ、なんで入れたか。だってば』
明らかに目を逸らす義勇さん、何しやがったんだ。
三つある玄関全てに使用人二人ずつ見張りを付けてある。
誰も通すなって。誰か来たら、私に言いなさいと。言ってあるのに。
『私の使用人に首打ちとかしてませんよね?』
富「それはしてない。ちょっと低かった柵を飛び越えて来ただけだ」
『馬鹿野郎!!普通に入って来て下さいよ…』
富「悪かった、次からそうしよう」
『お願いしますよ……』
水の呼吸と雨の呼吸は非常に相性が良いらしく、よく合同任務にさせられる。
無一郎とも多いかな……天元さんは時々出て来て私の邪魔するけど。
私自身、実際義勇さんと一緒に戦うのが一番楽しくて気持ちいい。
義勇さんも最初はなんじゃこいつって言う目でしか見れなかったけど、任務で一緒にされられて行くうちに、ただの天然野郎なんだと理解したら仲良くやれている。
富「そんなに怒っているのか…?次からはちゃんと玄関を通るから」
『これ、あげます』
富「…?これは?」
凄い静かにしょんぼりする義勇さんが愛らしくてつい鍵となるものを渡してしまった。
いや、鍵じゃないんだけど。
使用人達に、これを持っている者は私に無断で家に入れていいって伝えてある笛。
『次から、これを使用人達に見せてください。入れてくれるんで』
富「そうなのか、ありがとう」
『いぇ、お待たせしました。準備終わったので行きましょう』
義勇さんの手を借りて立ち上がる。今回の任務は長くなるらしい。時々無一郎の手助けも来るのだとか。
『そういえば、私。今回の任務について烏からは義勇さんとの合同任務ぐらいしか聞いてないんですけど』
富「今回の任務は吉原遊廓へ潜入し、身を隠している鬼の情報を引き出すこと。既に宇髄の嫁達が潜入してる。今回は潜入だけらしい」
『……義勇さん、何役で潜入するんです』
富「女を売る役らしい」
『言い方が大変なことに』
富「そのまんまだぞ?」
その直後に届いた手紙。烏の足に巻き付いていて、それは汚ったらしい字で“花魁に上がっといた方がいいぞ 祭りの神からのお告”と記してあった。
『天元さぁぁぁぁん!?』
花魁なんて……無理に決まってるじゃん
751人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冨岡義勇が大好きな人 - すみません。冨岡さんルートの先のストーリーがURLでの移動ができません。これはどうしたらいいのか教えてください。 (2020年3月5日 0時) (レス) id: eedc890ee9 (このIDを非表示/違反報告)
エメラルド・アリス - ぐぁんばれぇぇぇ((おい敬語だろ すいませんでした (2020年2月16日 13時) (レス) id: 8a3a604a3a (このIDを非表示/違反報告)
かりんとうまんじゅう - いつも楽しみに読ませていただいてます!これからも頑張って下さいね! (2020年1月7日 22時) (レス) id: 5b8fccba8f (このIDを非表示/違反報告)
むい。(プロフ) - ムニエルさん» あ、はい。よくやるんですよね全く。ありがとうございます (2020年1月3日 9時) (レス) id: 830124773a (このIDを非表示/違反報告)
ムニエル - す、すいません義勇さんの冨が誤字ってます (2020年1月3日 4時) (レス) id: 12d65f590d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:24suganoya | 作成日時:2019年8月4日 23時