10年目ひよっこおはなし屋

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日本の仕事…って…




『日本の人の曲、作るの？』



「…あー、まあ、そんなところ」







日本語の練習か…


でもそれなら私も役に立てるかもしれないし…

曲を作ってもらう身だし…








『…やる』



「ちんちゃ…じゃなくて、本当？」





ちんちゃって本当って意味なのか。






『うん、ちんちゃ』



見よう見真似？聞き真似で使ってみるとモッチビがプッと吹き出した音が聞こえた。




「発音下手くそ」





なんだかその声が妙に色っぽくて、


顔を合わせているわけじゃないのに自然と顔を覆ってしまった。








『…沢山迷惑かけてごめんなさい。私も韓国語、頑張ります。
ありがとう、モッチ…じゃなくて、もちもちベイブさん。』



「……ん、じゃあまた。……うん」









そう言って私たちは通話終了のボタンを押した。









『っあーーーーーー！！！！なにこれ！』





顔が暑い。

特に耳が暑い。熱い。





モッチビってあんな声なの。

どこかだ聞いた事がある気がしたけど、そんなことよりもこの心臓のざわざわをどうにかしたい。



急いで冷蔵庫から冷たいペットボトルを取り出し両耳に当てる。

心臓のざわざわは何かの雑誌に載っていた動悸のツボを押した。








『ふう、落ち着いてきた』





さっきの現象はなんだったのだろう。
今までに経験したことのない感覚だった。





…まあ、それよりも先程のことを振り返ったほうがいいか。


あの時の言葉。




『…励まされた、んだよね』




"今日の日本の空は、晴れみたいだったから仕方ない。"






彼なりに、私が焦ってしまったことを理解して、励ましてくれたんじゃないか…そう感じる。




…そう、そうだ。


今日の空は晴れで、見惚れてしまうくらい綺麗だった。


ネットの批判や才能の差で焦って階段に足を踏み外した訳じゃない。







変に焦らなくていいんだもの。


ダンスはあれだけど、私は私なりに書きたい時に書けばいい。









何かを書きたいと思って始めたこの仕事。



だったらその時を私は待つ。









なぜだろう。


たった5分の通話で私の心まで晴れやかになったみたいだ。


んーっと大きく伸びをして再びスマホを手に取る。






『さて、まずどっちから電話しようかな』





鈴木さんに掛けるか、



いつもアルバイト募集中と歌っているLAWSANか。









どちらにせよ彼に報告するのが楽しみだ。




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