好きでいてもいいですか part3

ごめんなさい ページ26

岸さんが車を走らせてから10分くらいたった。




その間も話は絶えず、なお面白かった





岸「ついた、降ります？」





車を止めてこちらを向いた、短く返事をして車を出る。




少し肌寒くなった今の時期、大人っぽさを出しすぎて少し寒い。







やっぱり大人って難しい







降りたところは街のなかですごく景色のいいところ。



夏は花畑、冬は白銀に覆われる。




今はその間。
ほとんど花は枯れていて所々赤かったり黄色かったりした。




前を向けば自分が住む街が見れ、上を向けば星がとても綺麗だった




岸「綺麗でしょ、俺のお気に入りの場所なんです」



「すっごく綺麗です…」




少しぼーっとしながら、その景色を見ていると。


ふと、鼻につく香りがした




顔を上げて通り過ぎた彼を見る。





煙草をふかしながら空を見て歩く、


短い黒髪、少し背の低いひと。





しばらく彼を見ていたんだろう、岸さんが話しかけてきた




岸「知り合いですか…？」





「いいえ、知らない人です。どうしてですか？」





岸「ずっと見ていたので、誰かに似ていたんですか？」





「…はい、違うってわかってたんですけど、見てました」





何言ってるんだろう。

違うなら見る必要なんてないのに





岸「…Aさんにとって、特別な人ですか…？」





急にされた質問。




「…いえ、そんな人いないです…」









岸「…なら、もし今ここで…俺があなたを好きだと言ったら…どうしますか」









「………え…」





驚いた




岸「Aさんを初めてみてから、ずっと気になってました。絶対幸せにしますから、付き合ってもらえませんか…」





嬉しい。女の子として、こんなに愛されれば他に何もいらないとまで思ってしまう。








はやく言わないと、いえすと。





こんなチャンスなんてない、自分を好きになってくれて、こんなに素敵な人なんて…





震える手を両手でぐっと掴んで顔を上げる





寒さで悴む唇をゆっくり動かし、そのまま想いを伝える









、









、









、









「…ごめんなさい…」

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