好きでいてもいいですか part3

最後の恋〜先生〜 ページ16

西浦「なんだ？忘れ物か？」








なんて、思ってもいないし、こんな所に忘れ物なんてするはずない





よく考えればありえない事なのに、勝手に口が動いていた



「あの｡聞いてほしいことがあるんです…」


あんまり聞きたくない。もし西川の事だったら、俺は多分耐えられない




それでも教師という立場である以上、聞かざる負えなかった






「私、勇気と付き合ってないんです、うそだったんです」


「あなたを守りたかったんです、お仕事無くなっちゃうなんて耐えられなかったし…奥さんのことも、今更なのに傷つけたくないって思ったんですっ」






衝撃。
こんな言葉が似合うだろうか。



あれは全部自分のためだと思うと、俺は20歳も離れる子に、こんなにも大きなものを背負わせた







「先生が、すきです。この気持ちは嘘じゃないんです」




もしこのことを知っていたら、あんな事しなかった。





忘れるために、抱いたりしなかった。




全部君のせい。


でも、そうさせたのは俺。





こんな奴とまた関係を作れば、今まで以上に悲しませるだけ。







守りたいのは、俺も一緒。








西浦「…悪いけど、俺はもう好きじゃない」




同じことをしている。

あの時の君と。




西浦「俺はお前と遊んでたわけで、好意なんてないよ」




これで俺みたいに後悔するかもしれない。








それでも、君には幸せでいてほしい



勢いよく出ていく君の背中から、目を離さなかった。




俺のために泣いてくれる、その涙を拭わなかった。



拭えば、後戻りできなくなる。







本当に、理不尽。




婚姻届を出した時、彼女との恋が最高だと思った。







多分それは、今もなのかもしれない。





君は、俺の最後の恋。




西浦「愛してた、幸せになれ」





首筋を通る涙の雫は



スーツの襟に触れて消えた。






小さな染みを一瞬だけ残して

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