君の幸せを ページ11
翔「落ち着いた?」
「ん…ごめんね」
泣いて早くなった鼓動を落ち着かせると、翔が話始めた
翔「あの先生のこた、まだ好きなの?」
「……もう、好きじゃない。と思う」
翔「曖昧な感じ?」
「…まあね」
翔「…山本先生がいるから?」
「……まあ、ね」
そんなことだろうと思った。
と呟いて頭をかきむしった
翔「それで好きじゃなくなったとか、先生の為っていうなら初めから付き合うなよ」
冷たいけど、その通りの言葉だった
翔「Aが優しいのは知ってる。幸せになって欲しいと本当に思ってる。」
翔「俺は、ぶっちゃけ暴走した。これじゃあ幸せになんてできないなって、思ったりした」
「…今、幸せと感じるのはあの人といる時だけ。他に幸せなんてない」
溢れる涙を噛み殺しながら言った
翔「ならちゃんと言わないと、思ってても伝わらないよ」
「簡単に言わないで、あの人は私のものじゃないの」
翔「絶対に後悔する、だから言って…な?」
あぁ
昔かこの顔に弱い。
少し眉尻を下げて、下から覗き込むようにする
なにか反対できない、そんな雰囲気がある
翔「ほら!早く早く!」
手を引っ張って自転車のところまで歩く
翔「俺、もうAの前に現れない」
「…え?」
久々に出した声は、少し裏返っていた
翔「さんざん迷惑かけたもん、もし時間が経って、許してくれるなら連絡して。LINEは変わってないし、変えないから」
そういうと頭に手を置いてわしゃわしゃと頭を撫でた。
横髪が顔にかかって、翔の顔は見えなかった
「わっ…」
翔「じゃあね」
すーっと離れた手、髪の間から見えたのは、目に涙を浮かばせる君だった。
すぐに背中を向けて遠くへ歩いていく。
何も出来ず立ち尽くし、見えなくなるまで背中を見つめた。
ただ一言
「ありがとう、好きだった」
そう呟いた
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雲類鷲(プロフ) - 夜に見てたんですけど、ものすごく感動してしまってたくさん泣きました。私も今先生の方が好きで共感できました。素晴らしい作品をありがとうございます! (2022年2月19日 9時) (レス) id: b3359691d7 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - kisakiさん» コメントありがとうございます!! 共感いただけて嬉しいです…… (2020年7月12日 1時) (レス) id: cd79ee8b93 (このIDを非表示/違反報告)
kisaki - 私も先生のことが好きで共感もできて、ずっと泣いていました。ありがとうございます! (2020年7月11日 21時) (レス) id: 33631d02f5 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - ゆるゆるるるるさん» ゆるゆるるるるさん!読んでくださってありがとうございます!そんなこと言っていただけるなんて光栄です、またお立ち寄りください! (2018年2月25日 15時) (レス) id: ac6c3bd1ce (このIDを非表示/違反報告)
ゆるゆるるるる(プロフ) - キーワード検索で見つけてぶっ通しで読んでて夕方から今までじっくり読んでボロ泣きしました。涙腺崩壊して2時間くらい泣いてます…めっちゃいい小説…こんな素晴らしい小説と感動をありがとうございました! (2018年2月25日 2時) (レス) id: fa9c1b39ad (このIDを非表示/違反報告)
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